2018年2月3日

学生フォーミュラにおける新入生のスタートアップ

[重要なお知らせ(Important notification)]

学生フォーミュラを始める新入生がまずやるべきことにはどんなことがあるのでしょうか?チームの状況は千差万別なので、これが正解!という答えはもちろんないのですが、大きく分けるとチームの経験に応じて二つに分かれるのではないでしょうか。

審査結果の掲示を見つめる学生たち
今回のブログでは全日本学生フォーミュラ大会のデザイン審査員としての長きに渡る経験を踏まえ、学生フォーミュラの活動を始めたばかりの新入生へ、スタートアップに関するアドバイスを書いてみようと思います。参考にしてもらえれば幸いです。




出場経験が豊富で人数の多いチームの場合


このようなチームに加入することになった新入生のやるべきこと。それは去年の車両をとことん学ぶことかなと思います。

初めて見るフォーミュラカーをじっくりと観察していると、これは何だろう?あれは何だろう?といった疑問がたくさん浮かんでくるはずです。ここでオススメしたいのは、ただ漠然と見ているのではなく、ペンとメモを持ってその疑問を書き留めておくことです。

次に、その疑問について自分で調べたり先輩に聞くなどして『なるほど!そういうことなのか~』とスッキリするまで疑問の解決に努めてください。そこから得られた知識や気付きは車両全体への理解にも繋がりますし、一人のエンジニアとしてどの部分を担当したいのか?その見極めに必ず役に立つはずです。

2016年デルフト工科大学のマシン
これは自分にも言えることなのですが、人間は少し難解なことに直面すると、それをちょっと見ただけで『理解した』と思いこんでしまう傾向があるようです。少々面倒ですが、とことん考え抜くクセを身に着けると良いと思います。これは自戒の意味も込めて書いています(汗)。

余裕があれば、次のステップも踏んでもう少し理解を深められると良いですね。車両の全体レイアウト、車両を構成するコンポーネント、さらにはそのコンポーネントを構成する小さなパーツに至るまで、なぜそのように設計されたのだろうか?このような設計に関する疑問を全てノートにまとめてみましょう。そのノートを使って先輩と技術論議をすれば、基礎知識の修得度は飛躍的に高まるはずです。

この写真からも疑問はたくさん出てくるはず…

人数の多いチームの場合、加入したばかりの新入生はそう多くのことはできません。しかし、そんな時にこそチーム内に存在する知的財産を貪欲かつ早く修得することが、チーム力の向上・継続性に繋がるはずです。



経験が少なく人数が少ないチームの場合


このようなチームの場合、とにかく人手が足りないことが課題です。新入生にいきなり設計を任せることは難しいので『まずは製作手伝ってもらうしかないなー』というのが実情かなと思います。このため、新入生がじっくりと疑問を潰している時間はないかも知れません。

デザイン審査員としての立場上、『とりあえず作ってみれば?』とは決して言えないのですが(汗)、マンパワーの小さいチームの場合は見よう見まねで全然構わないので、とにかく先輩と一緒に設計・製作に取り組み、車両を完成させることに注力するのも一つの有効な取り組み方かなとも思います。極端に言えば、深い理解や難しい理論は後回しにしてしまうというのもアリです。あくまで極端に言えば…ですが(汗)。

世界にはスゴイ連中もいますが、意外とその思考力のレベルは?!
ただ、そうなると確実に直面するのは走行時の不具合や性能課題です。限られた時間とマンパワーの中で活動している以上、課題に直面するのはある意味必然です。本来であれば、考え抜いた設計をすることで課題が出ないようにするのが理想です。ですが、ここはポジティブに考えましょう!その課題を乗り越えることが成長の機会になるのだと。

当たり前のことですが、課題を乗り越えるためには創意工夫が必要になります。その創意工夫をデザインレポートに書いてみるのも良いかも知れません。デザイン審査はクルマの先進性やチームの技術力の高さだけを評価しているわけではなく、学生の皆さんが課題をどのように解決していったのか?その思考もまた、審査員の関心事なのです。




まとめ


今回は大きく二つの場合を想定してみましたが、上級生に追いつくには時間がかかるものです。エンジニアリング能力は日々の精進コツコツの中で身につくものなので、慌てずじっくりと取り組むことをお勧めします。それでは今回のブログをまとめたいと思います。
  1. 新入生は疑問を持ったら、それを放置せずに『なるほど!』を得られるレベルまで理解を深められると良い
  2. クルマ全体への理解を深めておくと、設計や製作に取り組む際にその理解が大いに役に立つ
  3. チームメンバー間の論議や知識の共有は、チーム力の向上・継続性に大いに貢献するので論議は積極的にすると良い
  4. 経験や時間不足による課題発生はある意味仕方がないが、その解決にはきちんと力を注ぐようにすると良い

以上四点です。チーム事情は様々だとは思いますが、学生の皆さんの参考になれば幸いです。日々の活動は大変かも分かりませんが頑張ってくださいね。頑張る学生の皆さんを応援しています!

[おわり]