[重要なお知らせ(Important notification)]
成功が約束された投資はない。
技術や人材への継続的な投資がなければ、F1チームとして成功することはできない…しかし、その投資が必ずしも成功するとは限らない。そんなことを前回のブログで書きました。これはF1に限った話ではなく、どんな業界、ビジネスであっても必ず成功する投資など存在しないことは自明です。
VJM09 Photo By Morio - Own work, CC BY-SA 4.0 |
企業として存在するF1チーム
さて、F1チームはその名称にチームという言葉が含まれていますが、基本的には『企業』として存在しています。僕が現在所属するチームを例に取れば、Racing Point F1 TeamはあくまでF1へのエントリー名で、実際の企業名はRacing Point UK Ltdです。
SportPesa Racing Point F1 Team |
ヒトを愛する、チームを愛する。
その元F1チームオーナーは、お金に関連するニュースに度々取り上げられていましたが、実際の人柄はとても温厚な紳士でした。彼がどれほどチームを愛し、大切に想っていたのか?その想いが伺い知れるモノがあります。
次の写真はある年の年間ランキング上位入賞を祝して作られたTシャツです。
元F1チームオーナーのメッセージ① |
‘It’s not the amount of arms you have, it is the quality of your weaponry’
(武器の数の多さじゃないんだ、その武器がどれだけ優れているかなんだ)
そして、Tシャツの背面にはこんな言葉も書かれていました。
‘405 Reasons we finished fourth’
(4位でフィニッシュしたことには405人分の理由がある)
元F1チームオーナーのメッセージ② |
情熱と継続性があればこそ。
企業経営は経済的に健全であることが常に求められます。しかし、F1チームの経営に関して言えば、通常のビジネスという枠組みに加え、『F1への情熱』が特に必要であるように思います。今回紹介した元F1チームオーナーに限らず、F1界を見渡せば多くのチームが継続性に重きを置いています。それは情熱があればこそだと僕は考えています。
F1に新規参入し、成功するために必要なこと。
とても陳腐な言葉ですが、『チームを育てるために、情熱的に投資が続けられること』がF1新規参入に求められる本質的な答えかも知れません。その投資は時としてビジネスを度外視しているように見えることもあります。僕はそんな情熱的な投資に感謝しつつ、最大限の成果を出すことでその投資に報いたい…そう思いながら日々のF1開発業務を頑張っています。
[おわり]