[重要なお知らせ(Important notification)]
説明書通りに、説明書以上に、
いざRCカーのレースに参加すると言っても、すぐに結果が出るほど簡単な話ではありません。まずはマシンをしっかりと準備することが肝要です。F1の世界でも、マシンがファクトリーを出るまでにどれほど仕事をカンペキにやってこれたか?これがとても大切です。それはRCカーの世界でも同じ。TB03を買い、RCカーを始めたばかりの頃の僕はカンペキな仕事をすべく、説明書通りに丁寧に組み上げていました。そう、文字通り説明書通りに。
この時の僕はまだ気づいていなかったのですが、説明書通りでは速さの追求という点では不十分なのです。マシンの真のポテンシャルを引き出すには、説明書以上に組み上げることがとても重要になります。説明書はあくまでも『パーツを組み上げてマシンを形にする』ためのガイドライン。その指示に従えば、誰でも簡単にRCカーを組み上げることができるのですが、そこにちょっとした秘密があります。
TB04 PROIIの説明書 |
このような公差による部品間干渉を避けるため、RCカーに限らず全ての工業製品は公差が吸収されるよう設計されています。RCカーを説明書通りにそのまま組み立てると、出来上がり時にガタつきがあるのはこのためです。このようなガタつきがあるとマシン本来の速さが引き出されなくなってしまうため、しっかりと補正する必要があるのです。
RCカーのアップライト部分は公差管理が特に重要 |
ひたすら練習あるのみ!
マシンの準備を終えた僕はすぐに練習に励む日々を送ります。当時、日産自動車に勤務していた僕は厚木市に住んでいましたが、自宅のすぐ近くには厚木レジャーランド(通称レジャラン)がありました。幸運にも身近にRCカーを走らせられる環境に恵まれた僕は、週末だけでなく平日の仕事終わりにも練習に励むことになります。
しかし、始めたばかりの頃は運転スキル云々の前に、そもそもマシンが真っ直ぐ走ってくれませんでした(汗)。トリム調整だけでなくフロントのアライメントをきっちりと出せるようになることも大切です。走っては調整、調整しては走っての繰り返しでした。おまけに腕が未熟だったために、しょっちゅうフロントアップライトの部品を壊していました。
ホームコースだった厚木レジャーランド |
『ん?もうレースに出てもイケるんじゃね?』
そんなことを確信(勘違いした?)僕は、ニッサンTKFのリーダーでもある吉川氏の『もう大丈夫ですよ!出ちゃいましょうよ~(ニヤリ)』という言葉を受け入れ、意を決してタミヤグランプリのビギナーズクラスにエントリーしたのです。エントリーした時の僕は、恐れ多くも『Aメイン入り(トップ10)は最低でも達成できるでしょー』と安易に考えていたのですが…果たして…。
いざレースへ!が、しかし…
人生で初めてエントリーしたRCカーのレースは2009年3月22日に開催されたタミヤグランプリin東京のビギナーズクラス。ビギナーズクラスとは言え、Aメインに入ってくる参加者はそれなりに速さがありますし、どこまで自分が通用するのか?それを確かめる良い機会でした。
レース当日は早朝に神奈川を出発し、眠い目をこすりながら浅草ROXの会場を目指します。現地でニッサンTKFのチームメンバーと合流し、大会会場が開場されると同時にすぐにピットエリアを設営します。設営後は落ち着く暇もなく車検の準備。この時が最も忙しい時間帯なのですが、この時間帯を落ち着いて乗り切ることがとても大切です。僕の経験では、この時間帯に余裕がない時はレースの結果が良かった例がありません(汗)。
初出場のタミグラでのピットの様子 |
結果は61台中38位でDメイン1位スタート…。Aメインなど遥かに及ばないポジション…。せめてDメインでトップフィニッシュを飾りたいところですが、迎えた決勝レースではミスを連発して2位フィニッシュ。最終的に総合39位という惨憺たる結果に終わってしまったのです。
追い求めるべきもの。
ビギナーズクラスですら、望みうる結果が得られなかったことで本当に落ち込みましたし、心底くやしかったです。たかが趣味かも知れませんが、自分が好きなことで敗北を喫することは、僕にとっては耐え難い屈辱でしかありません(今は仕事でそれを強烈に味わっていますが…汗)。
しかし、どうすれば結果が出るようになるのか?当時の僕にはドライビングスキルだけでなく様々な要素が欠けていたのです。でも、やるからには勝ちたい。そう決意を固めた僕は、欠けている要素を追い求め、練習に勤しむ日々へと再び突入していくことになるのです。
本来は車両運動力学を実践する場として選んだRCカーの世界。気が付けばどっぷりとその世界の虜になっていました(笑)。
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