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ミニ四駆に作用する力
前回のブログでは旋回運動の成り立ちとタイヤスリップ角について解説しました。今回のブログでは、ミニ四駆にはどのような力が作用しているのか?これを段階的に解説したいと思います。
ダッシュ2号バーニングサン(引用元:タミヤ公式サイト) |
作用・反作用の法則と旋回運動
さっそく次の図を見てみましょう。この図はミニ四駆が半径一定のコースを一定速度で旋回走行している様子を表しています。
コースの壁からの反作用力による旋回 |
ここでしっかり理解しておきたい重要な点は、乗用車ではハンドル操作によって生み出されたタイヤの横力で旋回運動が始まるのに対して、ミニ四駆は『コースの壁から受ける反作用力により旋回運動をする』(図中の青矢印)ということです。
また、コースの壁に沿って走行するミニ四駆の場合、前後のローラーが受ける反作用力は必ずしも同じ大きさにはならず、フロント側の反作用力が大きくなるという特徴があります。その理由は後述することとして、次節では反作用力に続く第二の力に着目してみましょう。
タイヤ横力の発生メカニズム
ミニ四駆のタイヤは旋回運動に対してどのような働きをしているのでしょうか?乗用車とは違うメカニズムで何らかの力を発生していることは容易に想像できますが、本節ではそのメカニズムを繙いていきます。次の図を見てください。
自転中心は公転軌跡の接線方向に速度を持つ |
(注記)『タイヤ中心の速度ベクトル』とは車輪速(タイヤの回転する速さ)ではなく、タイヤ中心の移動する速さと方向を意味します。
ここで思い出してもらいたいのは『ミニ四駆は公転運動だけでなく、自転運動も行っている』ということです。ミニ四駆の自転中心から離れているタイヤの中心は、自転運動により刻一刻と位置が変わるので、その速度ベクトルも考慮する必要があるのです。ここではフロントタイヤを例にその速度ベクトルについて解説します。
自転によるタイヤの速度成分 |
上述したように、各タイヤは公転運動による速度ベクトルと、自転運動による速度ベクトルを持つので、次の図に示すように二つの速度ベクトルを足し合わせてみましょう。
自転と公転の速度ベクトルを合成 |
(注記)上の図では理解しやすくするため、スリップ角を実際より大きく描いています。
それでは、全てのタイヤの速度ベクトルを図にしてみましょう。リヤタイヤは自転中心よりも後方にあるので、横速度成分がフロントタイヤとは逆になることがポイントとなります。
各タイヤに発生する速度ベクトルの様子 |
スリップ角によりタイヤ横力が発生する |
まとめ
以下、今回のまとめとなります。
- ミニ四駆は反作用力によって旋回運動する
- 自転と公転の速度ベクトルの合成によりタイヤの速度ベクトルが決まる
- タイヤスリップ角は自転の影響で内輪側が大きくなる
- 反作用力はリヤ側よりフロント側が大きい
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