2018年11月4日

F1的な就職活動のススメ【履歴書CVとは?】

[前回のブログ]
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今回はF1チームへの応募の際に必要となる書類を紹介したいと思います。以前のブログでも応募方法の概要を紹介しましたが、その詳細については踏み込んでいませんでした。そこで、将来F1で働くことを夢見ている人向けに参考となるであろう具体的な内容を紹介していきます。


まず最初に、応募の際に求められる代表的な書類を紹介しましょう。一般的に必要となるのは以下の三点です。三点目の補足資料は必須ではありませんが、例えば自分の得意分野の紹介プレゼンテーションなど、準備しておくと有利になることもあるのでリストに加えてみました。

  • 履歴書(Curriculum Vitae)
  • 挨拶状(Covering Letter)
  • 補足資料(Support Document)


そして、今回のブログで深掘りして紹介するのはCV(Curriculum Vitae)と呼ばれる履歴書についてです。CVはヨーロッパで就職する際には絶対に求められる重要な書類であり、CVを作らずして就職機会を得られることはあり得ません。エンジニアはもちろん、メカニックなどのポジションでもCVの提出は必須です。また、日本の履歴書と異なりコンビニでテンプレート用紙が売っているわけでもありませんので、自力で作成する必要があります。

そんな自作の自己アピールの履歴書、それがCVなのです。




何を書けば良いのか?

『で?何を書けばいいの?』というのが一番最初に浮かんでくる疑問だと思いますが、一般的には次の項目が含まれていることが求められます。ちなみに、画像や写真*を紙面に載せてはならず、文字と罫線のみで2ページ以内で構成することがCVの基本的な作法となります。
*国によっては応募者の顔写真を掲載する場合もあります。

①Personal Information

個人を特定するための情報です。僕の場合は次の六つの情報を織り込みました。

  • 氏名(ローマ字でパスポートと同表記)
  • 現住所(英字表記)
  • 連絡先(メールアドレス・電話番号)
  • 生年月日(日/月/年の順序で)
  • 家族構成(未婚・既婚・子供の有無)
  • 国籍

最初の三つの項目(氏名・現住所・連絡先)は必須だと思いますが、残りの三つは必ずしも記入する必要はないと思います。僕の場合はイギリスの就労ビザを取得する必要があったので、念のため詳細な情報を含めておきました。

②Professional History

職務履歴の情報です。現在の会社での仕事から順に過去の仕事を書いていきます。日本の履歴書と決定的に異なるのは、会社名と部署だけでなく、所属していた期間、どんなポジションで仕事に従事し、どんな成果を出したのかも書く必要があることです。要点を押さえた上で箇条書きで書くのが良いと思います。

日本人の場合、欧米と比較して転職する回数が少ない傾向にあるので、ずっと同じ会社に勤務している方も多いかと思います。その場合は社内での所属部署の履歴をベースにして書けば良いと思います。

なお、学生が応募する場合は、在学中に経験したインターンシップでの職務経験を書くことになりますが、即戦力としての加入を求められる欧米での採用スタイルにおいては、このインターンシップの職務経験をCVに書けることは大きなアドバンテージになると思います。

③Skill&Knowledge

自身のスキルや知識についての情報です。僕の場合は技術的な観点でこの情報を構成してみました。それまでに扱ったことのある技術的なソフトウェアとそのスキルレベル、強みと成り得る工学知識(機械工学、制御工学、電気電子工学など)、語学レベル(英語、日本語、フランス語)などです。

人それぞれアピールポイントも違うので、コレという正解はありませんが、一度自分自身のスキルを見つめ直し、CVに書いておくべきスキルを選定すると良いでしょう。例えば、まだ使用経験が3ヶ月程度のソフトウェアなどはBeginner(初心者)などの脚注を着けるか、経験が十分になるまでCVへの掲載を見送るなどの対応が必要かと思います。

④Educational History

学歴に関する情報です。卒業した学校名を書くのですが、エンジニアの場合は卒業した大学、学位の名称、卒業時の成績レベルを併記します。日本の大学を卒業した場合、成績評定点に関する共通の基準が国内にない(?)ようですので無理して書かなくても大丈夫ですが、もし大学での成績が優秀だったのであれば、そのことが分かる記述をしておくのも良いかも知れません。

⑤Reference

推薦人のことをReferenceと言います。必須項目ではありませんが、もし自分を推薦してくれる知人がいるのであれば、書いておくとちょっとだけプラスになることがあります。もちろん、誰でも良いワケではなく、応募先のチームで働いている知人や、現在(もしくは過去)の会社の上司にCVのReferenceとして書いて良いかをお願いします。

ReferenceとしてのOKをもらえた場合、その推薦人の氏名、会社名、ポジション名、連絡先(メールアドレス)をCVに書きます。その推薦人に問い合わせの連絡が行くことは恐らくほとんどないとは思いますが、ReferenceがあるとCVの信頼度がちょっとだけ上がります。

僕もこれまでに何回かReferenceを依頼されましたが、依頼してきた本人とそれなりに親しいこと、推薦するに値する力が本人にある場合はOKを出しています。ちなみにF1への就職活動をしていた当時、僕はReferenceをCVに書けるということを知らなかったので、Referenceは書いていませんでした(汗)。

⑥Technical Paper & Patent

これも必須項目ではありませんが、過去に発表した論文や特許があれば、書いておくとプラスになるかも知れません。僕の場合、日産自動車時代に自動車技術会の春季大会で発表した技術論文を掲載しておきました。この他、自分の名前で出願した特許などあれば内容によってはプラスになるかも知れません。

ここでは論文や特許について言及しましたが、自分の実力を伝える上で履歴書に掲載しても違和感がなくプラスになるであろうと思える内容があれば、それをCVに織り込んでも良いと思います。

            


以上、6点となります。注意して欲しいのは、ここに書いたのはあくまで一般論であり絶対ではないということです。社会人経験の長い人、就職活動中の学生など、立場によってCVのスタイルは変わりますので、自分の考えるベストなスタイルをぜひ模索してみてください。






紙面から伝わる熱意

ここまでCVの内容について解説しましたが、これを読んでいる皆さんはどう感じましたか?もしかしたら『まぁ想像通り』という方が多かったのではないでしょうか?日本の履歴書に比べれば書く内容はちょっと多くなりますが、上に解説した項目を紙面に書き下ろせば、それなりの体裁のCVを作ることができると思います。

一方で『CVはちゃんと書いたつもりだし、何度応募しても面接に呼ばれず、お断りのメールばかり…』という人も少なくありません。これまでに学生さんや後輩に求められCVの書き方についてアドバイスをしてきましたが、全ての人に次のような事を伝えてきました。

『CVを見ればその人の熱意が分かる。』

CVの紙面をパッと見ただけで書き手の熱意であったり、どれだけ真剣に書いてきたのかとても良く分かるのです。良くまとまったCVほど『俺を見てくれ!俺の強みはこれだ!』という意欲を強く感じますし、その人の経歴も非常に理解し易いのです。

このように自分の実力を余すことなく、100%伝えることがCVを作成する上でとても大切なのですが、面接に呼ばれない場合は自分の実力が熱意とともに100%伝わっていない可能性があります。もしこのような状況に直面している人は、今一度ご自身のCVを見直してみることをオススメします。



残念ながら僕のCVを公開することはできませんが、F1への就職活動を始めて以来、実に27回ものメジャーアップデートを繰り返してきました。

『こうすれば読み手はもっと分かりやすいかも…』

『ん?この情報はそこまで有益ではなさそうだぞ…』

『んー…もっと見やすくするにはこういうレイアウトがいいかも…』

こんな風に細かなアップデートも含めると本当にたくさんの改良を加えてきました。

ぜひ、皆さんもコダワリ抜いた珠玉のCVを作り上げ、面接の機会をゲットできるよう頑張ってください。次回はいよいよF1的な就職活動のススメの最終回となります。最終回は『F1就職最前線』をお届けする予定です。次回更新もどうぞお楽しみに!

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