2018年11月10日

F1的な就職活動のススメ【F1就職最前線①】

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[重要なお知らせ/Important Notification]

いよいよ『F1的な就職活動のススメ』も最終章となります。この最終章ではF1就職最前線と題し、F1業界ではどのような採用スタイルを取っているの?応募者数ってどれくらい?などの疑問に答えつつ、契約獲得に至るまでの経緯を紹介していきます。

(引用元:Williams F1公式サイト)
さて、決して簡単に開かないF1への門ですが、それでも諦めずに叩き続ける必要があります。ですが(かつて僕がやっていたように…汗)、闇雲に叩いても意味がありません。そこで、今回のブログではF1への情熱の振り向け先について書いてみたいと思います。





F1への情熱は…

突然ですが、もし、あなたがF1の世界で働くことを真剣に考えているのであれば、F1ファンとしての立場を一旦は忘れる必要があると僕は考えています。『え?!なんで??』と思うかも知れませんが、これには明確な理由があります(その理由については後述します)。

華やかな世界のF1。レース部門は世界中を転戦し、開発部門はファクトリーで最先端の技術開発に勤しみ、メカニックはピットで迅速かつ正確にマシンを組み上げ、レースではトップドライバー達が激しいバトルを繰り広げる…こんな世界で働きたいと真剣に考えている人は世界中にたくさんいます。

そんなF1の世界に憧れる人に向け、Williams F1 Teamが公式サイト上でキャリアに関するアドバイスのページを設けていることをご存知でしょうか?そこには次のようなことが書かれています。
            

[Question]
"I am GCSE student and would like advice on the best route to enhance my opportunity to achieve a career in Motorsport?"

[Answer]
"We would advise you first and foremost to give your best at school, whichever career path you chose. It’s also important to learn, particularly for a career in F1, that most often success comes from sustained hard work as opposed to occasional displays of brilliance"

[質問]
私は高校生なのですが、将来モータースポーツでのキャリアの可能性を高めるにはどうしたら良いかアドバイスを下さい。

[回答]
真っ先にアドバイスしたいことは、あなたがどんなキャリアを選ぼうとも、学校でベストを尽くすことに他なりません。特にF1でのキャリアを目指すというのであれば、一過性の努力による成果ではなく、継続的な努力こそが最終的な成功に繋がることを知っておくと良いでしょう。

            

さらに、この続きにはかなりストレートなアドバイスが書いてあります。どの大学が望ましいのかなど、学歴についても躊躇なくFAQで紹介するあたり、F1が常に最高の人材を求めているかが良く分かるかと思います。ある意味、イギリスは日本以上に学歴社会なのかも?知れませんね。

            

[Additional Answer 1]
"Specifically though I would advise you follow the numerate disciplines for your GCSEs and A-Levels i.e. Maths (essential), Physics, Chemistry, Design & Technology, IT etc. You should eventually aim to do a degree in an engineering discipline i.e. Mechanical, Automotive or Aeronautical. As for choice of University or college, with Cambridge, Imperial, Brunel, Bristol, Loughborough and Southampton being popular high-end choices for F1 hopefuls."

[補足回答1]
もっと踏み込んでアドバイスをすると、高校での理系科目(数学、物理、化学、設計技術、IT分野)において最良評価を取れるようにすると良いでしょう。また、最終的には工学系の学位(機械工学、自動車工学、航空宇宙工学など)の取得を目指しましょう。大学の選択についてはケンブリッジ大学、ロンドンのインペリアルカレッジ、ブランネル大学、ブリストル大学、ラフバラ大学、サウサンプトン大学などの名門大学への進学が望ましいでしょう。

[Additional Answer 2]
"It is also important to get practical experience, so try to use your vacations or gap year etc to get some. This could be paid employment in a garage or workshop or even voluntary labour for a junior race team. When you get to University joining the Formula Student Team is a great way of getting really good hands-on experience, as well as being a lot of fun."

[補足回答2]
『実践経験を積むのもまた重要なことです。そこで大型連休などを活用して実務経験を得られるようにしてください。ガレージやワークショップでの給与付きの仕事でも良いですし、下位カテゴリのレースチームでのボランティア業務も良いでしょう。また、大学に入学したら、学生フォーミュラチームに加入し、楽しみつつも実践経験を積むというのも良いでしょう。』

            

さて、この章の冒頭で『F1ファンとしての立場は一旦は忘れるべき』と書きましたが、ここでその理由について書きたいと思います。

Williams F1 Teamのアドバイスは、F1チームでの仕事を得るためにどんな努力をすれば良いのか?その具体的な方策を示してくれていますが、そこから汲み取れるメッセージは『あなたの情熱をあなた自身の切磋琢磨に費やして欲しい』というものだと思います。

(引用元:Williams F1 Team公式サイト)
その切磋琢磨はいつも楽しいものではなく、どちらかというと厳しくも地味な道程です。あえて厳しい言い方をしますが、プロフェッショナルとしてF1チームに関わることを目指すのであれば、趣味としてF1に関わることと根本的に異なる世界に身を置くことを覚悟しなくてはなりません。

これがF1ファンとしての立場を一旦は忘れるべきと言う理由です。今まさにこの瞬間もその情熱を未来に向けて注いでいる人が世界にはたくさんいますから、これも一つのコンペティション(競争)です。もちろんF1ファンであることを辞める必要はありませんが(…というか辞めてはなりません!)、競争相手に負けないためにも、自分がF1ファンであることを忘れるくらい自己研鑽に励む必要があると僕は考えています。





競争を勝ち抜くには?

上の章でも述べたように、本当にたくさんの人がF1の世界を目指しています。特に競争が激しいのは大学新卒や若手の人材市場です。新卒学生の応募の多いジュニアエンジニアのポジションだけでなく、インターンシップのポジションになると1名の枠に300名以上の学生から応募があるそうです。

一方で僕のように実務経験のある場合も簡単ではありません。応募数はさほど多くありませんが(それでも応募倍率は100倍近くあるようです)、F1の業界内に加えて他業界から熟練のエンジニアがこぞって応募してくるので、これもまた簡単ではありません。

こう書いてしまうと…

『そんなに大変なのか…自分には無理かも…』

そう思う人も少なくないかも知れません(汗)。しかし!頼もしいことに、こんな熾烈な競争に挑む日本人若手エンジニアや学生も少なくないのです。その中には、すでに複数のF1チームから面接に呼ばれた実績を持つ人もいます。そんな勇猛果敢な若手エンジニアや学生たちに共通して言えるのは、以前のブログで紹介した、4つの大切な要件の4つ目に書いた『技術への探求心』が特に強いことです。

自作のムービングベルト式風洞実験機
例えば、車両モデル、ムービングベルト、ダウンフォース計測装置など全部一人で作り上げてしまうなど、僕も驚かずにはいられないほどモノ造りへの情熱を持っている若手もいます。上の画像はその若手による自作のムービングベルト式風洞実験機です。

確かにF1チームに加入することは簡単なことではありません。しかし、他人にない独自の強みがあれば、この競争を勝ち抜ける可能性はグッと高まると僕は考えています。大学での研究や仕事などを通じて『技術への探求心』を育み、ゼロから何かを生み出す『創造力』を培うこと。ここに紹介した若手エンジニアのように、これを実践することを強くオススメします。



さて、次回のブログでは最終章第二弾にしてF1的な就職活動のススメの最終回となります。F1チームへの応募から契約オファーに至るまでの流れを紹介しつつ、最終的にどんな人が契約オファーを獲得しているのかを書いて最終章を締めたいと思います。

次回の更新もどうぞお楽しみに!

[続きはコチラ]


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