2018年2月4日

空力の鬼才エイドリアン・ニューウェイとは①

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僕と空力の鬼才と


F1界において最も名声を得ているエンジニアと言えば、誰しもが同じ人物を挙げるでしょう。そう、エイドリアン・ニューウェイ(Adrian Newey)氏です。『空力の鬼才』と呼ばれており、これまでにウィリアムズ、マクラーレン、レッドブルでチャンピオンマシンを手掛けたことで有名です。また、コンピュータをフル活用した設計が常識となった今も、製図台で図面を引くという逸話は多くの人が知るところでしょう。

CG901(引用元:img07.deviantart.net)
ニューウェイ氏の手掛けたF1マシンの代表作の一つとして、90年フランスGPでイヴァン・カペリを2位表彰台へと導いたレイトンハウスCG901があります。中学生の頃の僕はその美しさに惚れ、タミヤの1/20スケールのプラモデルを買って作り上げてはその造形美を楽しんでいました。最近ではイギリスで毎年開催されているGoodwood Festival of Speedにも登場するなど未だにその人気は衰え知らずです。

中学生の頃より憧れ、尊敬してきたニューウェイ氏とは個人的なお付き合いは一切ないのですが、イギリスでF1エンジニアとして働いていればこそ、ニューウェイ氏の伝説的な力を知る機会に恵まれたのです。今回のブログでは、僕が尊敬してやまないニューウェイ氏に関するエピソードを紹介します。

ある空力エンジニアとの出会い


僕の週末の楽しみの一つはMilton Keynesのレンタルカートサーキットでオープンレースに参加することです。その日はたまたま天気が良かったので、ネットで事前予約をしてサーキットに出掛けました。するとサーキットには見覚えのある参加者が一人いました。

彼の名前はダレンといいます。昨年たまたま同じオープンレースに参加して"負けた"相手ですが、その彼とは何度かサーキットで顔を合わせる機会に恵まれたこともあり、気さくに会話を交わす仲になっていました。ダレンはF1業界で10年以上に渡り空力エンジニアとして働いた経験を持つ人です。

(DAYTONA Milton Keynes:著者撮影)
そんな彼と再会した僕は、レースのブリーフィングが始まる前にラウンジで2018年シーズンの展望について語り合っていました。そこで以前から気になっていたことを聞いてみました。『ニューウェイさんは今年のマシン開発にはどれだけ関わっているの?』と。彼の答えはこうでした。

『去年のマシンまではアドバイザー的な立場だったけど、今年のマシンは彼が大きく関与している。だから間違いなく速いよ。』


想像を超えた答え


ダレンの自信に満ちた回答に、僕は一人の同じエンジニアとして大きな疑問を持ちました。なぜなら、現在のF1における空力開発部隊はたくさんの優秀なエンジニアによって構成されており、その陣頭指揮を執る人間が変わるだけで、そう易々と空力性能が向上するとは考えにくいのです。

RB14(出典:Wikipedia)
そんな彼にちょっと失礼ながらも、こんな質問を投げかけてみました。 『現代のF1マシンはCFD(数値流体力学)と風洞をフル活用して空力性能を開発するのが常識。ニューウェイさんはCFDに強いわけでもないのに、なぜ速くなると言い切れるの?』

この質問に対するダレンの答えは僕の想像を超えるものだったのです。

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