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2020年5月26日

F1的な就職活動のススメ【F1とメディア】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ(Important notification)]


はじめに。


今回のブログのテーマは『F1とメディア』です。Twitterで『F1を始めとしたモータースポーツのメディアやジャーナリストを目指している人ってどれくらいるのかな?』と呟いたところ、想像以上の反響があったのでこのブログ記事を執筆することにしました。

イギリス人F1ジャーナリスト
(引用元: Sam Collins's twitter)
まず最初に、これを読む皆さんにお伝えしておかねばならないことがあります。それは、僕自身にメディア・ジャーナリストの経験はなく、あくまで一介のエンジニアでしかないということです。そんな僕がF1やモータースポーツのメディアについて書くことは、実際にメディア・ジャーナリストとして活躍されている方々に対し、とても畏れ多いことだと考えています。

それゆえ、このテーマで書くことはこの一回限りとするつもりです。また、今回のブログの目的は、ジャーナリズムの世界を目指す若い人たちを勇気づけること、将来に向けてキッカケとなるヒントを、F1の世界にいる側の人間として提供することです。そして執筆に当たり、メディア・ジャーナリストとして活躍されている方々へ最大限の敬意をここに表しつつ、執筆することをご理解頂ければ幸いです。

少々堅い書き出しとなってしまいましたが(汗)、最後まで読んで頂ければ幸いです。

まずは課題から洗い出してみよう。


僕がF1の世界で働くようになって以来、『F1ジャーナリストになってみたいが、どうすれば良いのか分からない…』という嘆きにも近い質問をもらうことが多く、そのことが強く印象に残っています。社会人経験のない学生にとってはそもそも進学の悩みの方が大きく、考える余裕がないでしょうし、社会人として働いている人にとっても就職活動で希望の会社に入れなかった…など様々な事情があると思います。

そんな悩みを抱えている方々に代わり、僕なりの考え方を今回のブログでは共有してみたいと思います。

では、F1ジャーナリストの世界を目指す上で、どんな能力やスキルが必要になりそうか?細かい課題は数多あるかと思いますが、僕なりにその課題を次のように大きく三つの課題に分け、体系的にまとめてみました。

① 情報収集能力
② 知識力・情報量
③ 情報発信能力


ポイントは『体系的にまとめた』ことで、上の序列はそれぞれの重要性を表してはいません。どういうことか?それを次の図で説明します。

2018年11月18日

F1的な就職活動のススメ【F1就職最前線②】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ/Important Notification]


僕からのメッセージ


『F1的な就職活動のススメ』もいよいよ最終回となりました。今回のブログでは、契約に至るまでのプロセスを説明しつつ、選ばれるためにはどんな存在であることが求められるのか?ということについて書こうと思います。


そして終わりに僕からのF1を目指す人へのお願いとエールで締めたいと思います。少々長文になりますが、最後までお付き合いください。また、今回の連載テーマも最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

それでは最終回です!

まずは応募してみよう


以前のブログでも書いたように、自分がF1でどんな仕事をしたいのかを明確にする必要がありますが、ここではそれが明確になっていることを前提に話を進めて行きたいと思います。

さて、現在では多くのF1チームが公式サイトで採用情報を告知し、応募を募っています。事前にユーザー登録をする応募方法や、人事のメールアドレスに書類を添付して送付する応募方法など、いくつかスタイルがありますが、詳しくは各チームの公式サイトを確認してください。参考までに各チームの採用サイトへのリンク(2018年11月現在)を以下にまとめてみました。
  1. Racing Point Formula1 Team
  2. Mercedes AMG Formula1 Team
  3. Mercedes AMG High Performance Powertrains
  4. Scuderia Ferrari Formula1
  5. Red Bull Racing
  6. Renault Sport Formula1 Team
  7. HAAS F1 Team
  8. Scuderia Toro Rosso
  9. Williams F1 Team
  10. Sauber F1 Team
  11. McLaren Racing
なお、応募のルートはいくつかあり、公式サイト以外にもLinkedInにある各チーム公式ページなどを経由して応募することが可能な場合もあります。個人的にはチームの公式サイトを経由して応募する方が良いかなと思いますが、LinkedInは情報収集に役立つこともあるので登録しておくことをオススメします。もちろん僕も登録していますが、今ではF1関係者との繋がりをたくさん構築することができました。

(引用元:Mercedes AMG F1 Team公式サイト)
さて、各F1チーム公式サイトの求人広告チェックを続けていけば、そのうち狙いとするポジションの広告が見つかると思います。その時は躊躇することなくポチっと応募しましょう。ネット経由なので応募手続き自体はあっという間に終わります。手続きが終わると『あなたの応募を受付けました』という内容の自動返信メールが送られてきます。あとは正式に人事からの返答を待つのみ!です。

面接で最も重要なのは…


CVもちゃんと作成し、応募したポジションにふさわしい実力も備えているのであれば、応募から"一週間"も経たずに面接の日程調整の連絡が入るはずです。僕の経験上、面接に呼ばれる時はたいてい素早く連絡が入ります。逆に一週間以上も経過して何も音沙汰がなかった場合、望ましくない結果であることがほとんどです。

仮に面接に呼ばれたとしたら、次に気になるのは面接ではどんなことを聞かれるの?ということではないでしょうか。もし、エンジニアとしてF1を目指している場合、基本的に面接は技術面接になると考えて良いと思います。自身の技術レベルが果たして本当にチームが求めるレベルにあるのかどうか?それを徹底的にチェックされます。場合によっては筆記テストが課されることもあります。

では、そんな厳しいチェックがなされる面接に臨むに当たって、最も大切なことは何でしょうか?

それはどんな質問が投げかけられようとも、エンジニアとして技術的に的確な回答ができることです。これは一般的な面接対策でどうにかなることではなく、日頃から技術開発の仕事と真剣に向き合っていること。これが一番の対策になると思います。将来受けることになるであろうF1チームとの面接。日々の仕事に漫然と取り組むのではなく、来るべき時に備えてエンジニアとして技術と真正面から日々向き合うことをオススメします。


"Be the best"


面接も無事に終わり、あとは結果連絡を待つのみ…。果たして契約オファーがもらえるのか?面接が終わった日から落ち着かない日々が始まります。ところで、F1チームから面接の機会が与えられたことには意味することがあります。それはたくさんの応募者の中から最後に選ばれた5~10人ほどの中に入れたということです。

それを知ると仮に今回がダメだったとしても今後に向けた可能性を十分に実感することができるかと思います。確かにそれは間違いありません。しかし、最終的にF1チームからのオファーを勝ち取る人はどんな人なのでしょうか?

F1チームへの応募者は英国名門大学の出身者が多数
F1に限りませんが、ポジション毎に雇用するスタイルの欧米ではそのポジションで採用される人数は一人です。多くの応募者の中でたったの一人。そう、それは応募者の中で絶対的にベストな存在である人だけが契約オファーを勝ち取れることを意味します。

当たり前と言えば当たり前ですが、そんな激しい就職を勝ち抜いたベストな人材が集まった集団。それがF1チームという存在なのです。もし、F1の世界を目指すのであれば常に意識しておかねばならないこと、それがこの章のタイトルとして書いた"Be the best"なのです。

終わりに


F1的な就職活動のススメ、いかがでしたでしょうか?今後、F1の世界を目指す人が余計な遠回りをしなくて済むようにと思い、出来る限り参考となる情報とアドバイスを書いたつもりですが、少しでも参考になれば嬉しい限りです。

最後にこのテーマでブログを書こうと思ったキッカケと僕の想いを書こうと思います。まずキッカケについてですが、たくさんの方々からこんな質問を受けたことでした。

『どうしたらF1の世界で働けるようになりますか?』

これまでは時間の許す限り、相手の立場も想定しつつアドバイスをしてきましたが、個別にアドバイスをすることには時間かつ体力的に限界があります。ならば、少しでも多くの人に参考となる情報を届けたいと考え、このテーマでブログを書くことを決めました。

2018年シーズン後のパーティにて
一方、改めて気付いたこともあります。それは質問をしてきた方々にとって本当の正解を僕は持ち合わせていないということです。本来、その正解は質問をしてきた方の中にしか生まれ得ないもののはずですから、残念ながら僕がどんなに頑張ってアドバイスをしたり、情報発信をしたところで参考程度にしかならないのです。

だから、これからF1を目指す人へ僕からお願いがあります。

僕がこれまでに執筆してきた『僕がF1エンジニアになるまで』、『F1的な就職活動のススメ』は僕が経験してきたストーリーでしかありません。F1への道程をどう築き上げていくのか?その答えは自分自身の中にあります。自分自身の内なる可能性を信じ、その答えを自分自身で真剣に考え、自分自身のストーリーを築き上げていってください。

これからF1を目指して頑張る皆さんの健闘を心から祈っています。そしていつの日か、F1の世界で皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

[おわり]

2018年11月10日

F1的な就職活動のススメ【F1就職最前線①】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ(Important notification)]


F1の就職最前線とは?


いよいよ『F1的な就職活動のススメ』も最終章。今回のブログではF1就職最前線と題し、F1業界ではどのような採用スタイルを取っているのか?応募者数ってどれくらい?などの疑問に答えつつ、契約獲得に至るまでの経緯を紹介していきます。

(引用元:Williams F1公式サイト)
さて、決して簡単に開かないF1への門ですが、それでも諦めずにその門戸を叩き続ける情熱と根気が必要になります。しかし、かつて僕がやっていたように闇雲に叩いても意味がありません。そして、これからF1の世界で働くことを目指す人に余計な遠回りをして欲しくありません。

そこで、F1を目指す上で理解しておいて欲しいことを最初に書きたいと思います。

F1への情熱は…


突然ですが、もし、あなたがF1の世界で働くことを真剣に考えているのであれば、F1ファンとしての情熱を一旦は忘れる必要があると僕は考えています。『え?!なんで??』と思うかも知れませんが、これには明確な理由があります(その理由については後述)。

華やかな世界のF1。レース部門は世界中を転戦し、開発部門はファクトリーで最先端の技術開発に勤しみ、メカニックはピットで迅速かつ正確にマシンを組み上げ、レースではトップドライバー達が激しいバトルを繰り広げる…こんな世界で働きたいと真剣に考えている人は世界中にたくさんいます。

そんなF1の世界に憧れる人に向け、Williams F1 Teamが公式サイト上でキャリアに関する アドバイスのページを設けていることをご存知でしょうか?そこには次のようなことが書かれています。

Williams F1 Teamからのアドバイス①

[Question]
"I am GCSE student and would like advice on the best route to enhance my opportunity to achieve a career in Motorsport?"
[Answer]
"We would advise you first and foremost to give your best at school, whichever career path you chose. It’s also important to learn, particularly for a career in F1, that most often success comes from sustained hard work as opposed to occasional displays of brilliance"

[質問]
私は高校生なのですが、将来モータースポーツでのキャリアの可能性を高めるにはどうしたら良いかアドバイスを下さい。
[回答]
真っ先にアドバイスしたいことは、あなたがどんなキャリアを選ぼうとも、学校でベストを尽くすことに他なりません。特にF1でのキャリアを目指すというのであれば、一過性の努力による成果ではなく、継続的な努力こそが最終的な成功に繋がることを知っておくと良いでしょう。

さらに、この続きにはかなりストレートなアドバイスが書いてあります。どの大学が望ましいのかなど、具体的な学歴についても躊躇なくFAQで紹介するあたり、F1が常に最高の人材を求めているかが良く分かるかと思います。ある意味、イギリスは日本以上に学歴社会なのかも知れません。

Williams F1 Teamからのアドバイス②

[Additional Answer 1]
"Specifically though I would advise you follow the numerate disciplines for your GCSEs and A-Levels i.e. Maths (essential), Physics, Chemistry, Design & Technology, IT etc. You should eventually aim to do a degree in an engineering discipline i.e. Mechanical, Automotive or Aeronautical. As for choice of University or college, with Cambridge, Imperial, Brunel, Bristol, Loughborough and Southampton being popular high-end choices for F1 hopefuls."
[補足回答1]
もっと踏み込んでアドバイスをすると、高校での理系科目(数学、物理、化学、設計技術、IT分野)において最良評価を取れるようにすると良いでしょう。また、最終的には工学系の学位(機械工学、自動車工学、航空宇宙工学など)の取得を目指しましょう。大学の選択についてはケンブリッジ大学、ロンドンのインペリアルカレッジ、ブランネル大学、ブリストル大学、ラフバラ大学、サウサンプトン大学などの名門大学への進学が望ましいでしょう。

[Additional Answer 2]
"It is also important to get practical experience, so try to use your vacations or gap year etc to get some. This could be paid employment in a garage or workshop or even voluntary labour for a junior race team. When you get to University joining the Formula Student Team is a great way of getting really good hands-on experience, as well as being a lot of fun."
[補足回答2]
実践経験を積むのもまた重要なことです。そこで大型連休などを活用して実務経験を得られるようにしてください。ガレージやワークショップでの給与付きの仕事でも良いですし、下位カテゴリのレースチームでのボランティア業務も良いでしょう。また、大学に入学したら、学生フォーミュラチームに加入し、楽しみつつも実践経験を積むというのも良いでしょう。

さて、この章の冒頭で『F1ファンとしての立場は一旦は忘れるべき』と書きましたが、ここでその理由について書きたいと思います。

Williams F1 Teamのアドバイスは、F1チームでの仕事を得るためにどんな努力をすれば良いのか?その具体的な方策を示してくれていますが、そこから汲み取れるメッセージは『あなたの情熱をあなた自身の切磋琢磨に費やして欲しい』というものだと思います。

(引用元:Williams F1 Team公式サイト)
その切磋琢磨はいつも楽しいものではなく、どちらかというと厳しくも地味な道程です。あえて厳しい言い方をしますが、プロフェッショナルとしてF1チームに関わることを目指すのであれば、趣味としてF1に関わることと根本的に異なる世界に身を置くことを覚悟しなくてはなりません。

今まさにこの瞬間もその情熱を未来に向けて注いでいる人が世界にはたくさんいますから、これも一つのコンペティション(競争)です。もちろんF1ファンであることを辞める必要はありませんが、競争相手に負けないためにも、自分がF1ファンであることを忘れるくらい自己研鑽に励む必要があると僕は考えています。これがF1ファンとしての立場を一旦は忘れるべきと言う理由です。


競争を勝ち抜くには?


上の章でも述べたように、本当にたくさんの人がF1の世界を目指しています。特に競争が激しいのは大学新卒や若手の人材市場です。新卒学生の応募の多いジュニアエンジニアのポジションだけでなく、インターンシップのポジションになると1名の枠に300名以上の学生から応募があるそうです。

一方で僕のように実務経験のある場合も簡単ではありません。応募数はさほど多くありませんが、それでも応募倍率は100倍近くはあります。加えてF1の業界内にだけでなく他業界から熟練のエンジニアがこぞって応募してくるので、これもまた簡単ではありません。

『そんなに大変なのか…自分には無理かも…』

そう思う人も少なくないかも知れません。しかし!頼もしいことに、こんな熾烈な競争に挑む日本人若手エンジニアや学生も少なくないのです。その中には、すでに複数のF1チームから面接に呼ばれた実績を持つ人もいます。そんな勇猛果敢な若手エンジニアや学生たちに共通して言えるのは、以前のブログで紹介した、4つの大切な要件の4つ目に書いた『技術への探求心』が特に強いことです。

自作のムービングベルト式風洞実験機
例えば、車両モデル、ムービングベルト、ダウンフォース計測装置など全部一人で作り上げてしまうなど、僕も驚かずにはいられないほどモノ造りへの情熱を持っている若手もいます。上の画像はその若手による自作のムービングベルト式風洞実験機です。

確かにF1チームに加入することは簡単なことではありません。しかし、他人にない独自の強みがあれば、この競争を勝ち抜ける可能性はグッと高まると僕は考えています。大学での研究や仕事などを通じて『技術への探求心』を育み、ゼロから何かを生み出す『創造力』を培うこと。ここに紹介した若手エンジニアのように、これを実践することを強くオススメします。

最終章第二弾に向けて…


さて、次回のブログが最終章第二弾にしてF1的な就職活動のススメの最終回となります。F1チームへの応募から契約オファーに至るまでの流れを紹介しつつ、最終的にどんな人が契約オファーを獲得しているのかを書いて最終章を締めたいと思います。

次回の更新もどうぞお楽しみに!

[つづきはコチラ]

2018年11月4日

F1的な就職活動のススメ【履歴書CVとは?】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ(Important notification)]


海外就職に必要な書類とは


今回はイギリスなどヨーロッパ圏内での就職活動に求められる応募書類を紹介したいと思います。以前のブログでも応募方法の概要を紹介しましたが、その詳細については踏み込んでいませんでした。そこで、将来ヨーロッパなどの海外で働くことを夢見ている人向けに参考となるであろう具体的な内容を紹介していきます。


まず最初に、応募の際に求められる代表的な書類を紹介しましょう。一般的に必要となるのは以下の三点です。三点目の補足資料は必須ではありませんが、例えば自分の得意分野の紹介プレゼンテーションなど、準備しておくと有利になることもあるのでリストに加えてみました。

  • 履歴書(Curriculum Vitae)
  • 挨拶状(Covering Letter)
  • 補足資料(Support Document)

そして、今回のブログで深掘りして紹介するのはCV(Curriculum Vitae)と呼ばれる履歴書についてです。CVはヨーロッパで就職する際には絶対に求められる重要な書類であり、CVを作らずして就職機会を得られることはあり得ません。エンジニアはもちろん、メカニックなどのポジションでもCVの提出は必須です。また、日本の履歴書と異なりコンビニでテンプレート用紙が売っているわけでもありませんので、自力で作成する必要があります。

そんな自作の自己アピールの履歴書、それがCVなのです。

何を書けば良いのか?


一番最初に浮かんでくるCVについての疑問はその書き方と内容でしょう。一般的に、CVには以下の内容が含まれていることが求められます。ちなみに、画像や写真を紙面に載せてはならず、文字と罫線のみで2ページ以内で構成することがCVの基本的な作法となります。ただし、ドイツ語圏の国では応募者の顔写真を掲載する場合がありますので、各国の慣習に合わせると良いです。

①Personal Information

個人を特定するための情報です。僕の場合は次の六つの情報を織り込みました。

  • 氏名(ローマ字でパスポートと同表記)
  • 現住所(英字表記)
  • 連絡先(メールアドレス・電話番号)
  • 生年月日
  • 家族構成(未婚・既婚など)
  • 国籍

最初の三つの項目(氏名・現住所・連絡先)は必須だと思いますが、残りの三つは必ずしも記入する必要はないと思います。本来は国籍、年齢などで採用判断が左右されるべきではないからです。しかし、日本国籍である僕の場合、イギリスの就労ビザ取得が必須だったため、詳細な情報を含めておきました。

②Professional History

応募時点での職務履歴を書きます。現在から過去の順番でそれまでの経験を以下の情報と一緒に書き出します。

  • 会社名
  • 勤務期間
  • 職務ポジション名
  • 担当業務
  • 成果や貢献した内容

日本の履歴書と決定的に異なるのは、どんなポジションで仕事に従事し、どんな成果を出したのかも具体的に書く必要があることです。成果などについては、要点をまとめた上で箇条書きスタイルで書き出します。

ところで日本人の場合、欧米と比較して転職する回数が少ない傾向にあるので、ずっと同じ会社に勤務している人も多いかと思います。その場合は社内での所属部署での経歴を詳しく書きましょう。

なお、学生の場合は在学中に経験したインターンシップでの職務経験を書くことになりますが、即戦力としての加入を求められる欧米では、このインターンシップの職務経験をCVに書けることが大きなアドバンテージになります。


③Skill&Knowledge

自身のスキルや知識についての情報です。僕の場合は技術的な観点でこの情報を構成してみました。それまでに扱ったことのある技術的なソフトウェアとそのスキルレベル、強みと成り得る工学知識(機械工学、制御工学、電気電子工学など)、語学レベル(英語、日本語、フランス語)などです。

人それぞれアピールポイントも違うので、コレという正解はありませんが、一度自分自身のスキルを見つめ直し、CVに書いておくべきスキルを選定すると良いでしょう。例えば、まだ使用経験が3ヶ月程度のソフトウェアなどはBeginner(初心者)などの脚注を着けるか、経験が十分になるまでCVへの掲載を見送るなどの対応が必要です。

④Educational History

学歴に関する情報です。以下の情報を書きます。ある程度の職務経験がある場合(目安として5年以上)、紙面のスペースを効率的に活用するために最終学歴の記述だけでもOKかも知れませんが、修士号を持っている方は学士号の記載もしっかりと明記します。

  • 最終学歴の学校名
  • 在学期間
  • 取得学位名
  • 卒業成績評点

卒業時の成績評点に関してですが、日本国内共通の評点基準が無いようですので、無理して書かなくても大丈夫だと思います。もし大学での成績が優秀だったのであれば、そのことが分かる記述をしておくのも良いかも知れません。

イギリスの大学を卒業した場合は、必ず大学での評点を記載しましょう。以下の記述はイギリスにおける共通の評点基準です。エンジニアとしてF1チームへの就職を目指す場合、最低でもUpper Second-Class(2:1)が求められることが一般的です。

  • First-Class Honours (First) (70% and above)
  • Upper Second-Class Honours (2:1) (60-70%)
  • Lower Second-Class Honours (2:2) (50-60%)
  • Third-Class Honours (Third) (40-50%)

⑤Reference

推薦人のことをReferenceと言います。必須項目ではありませんが、もし自分を推薦してくれる知人がいるのであれば、書いておくとちょっとだけプラスになることがあります。応募先のチームで働いている知人、大学で卒業研究を担当してもらった教授、過去に働いていた会社の上司などにReferenceをお願いします。

ReferenceとしてのOKをもらえた場合、その推薦人の氏名、会社名、ポジション名、連絡先(メールアドレス)をCVに書きます。その推薦人に問い合わせの連絡が行くことは恐らくほとんどないとは思いますが、ReferenceがあるとCVの信頼度が少しだけ上がります。

以上、5点となります。注意して欲しいのは、ここに書いたのはあくまで一般論であり絶対ではないということです。社会人経験の長い人、就職活動中の学生など、立場によってCVのスタイルは変わりますので、自分の考えるベストなスタイルを模索してみてください。

紙面から伝わる熱意


今回のブログではCVに書くべき内容について解説しましたが、これを読んでいる皆さんはどう感じましたか?CVのことを良く知らなかった人でも『書く内容は日本の場合に比べると少し多いけど、海外ならこれくらいは求められて当たり前なのかもなー…』と感じた人もいるかも知れませんね。とにかく、上に解説した項目を紙面に書き下ろしていけば、それなりの体裁のCVを作ることができると思います。

一方で『CVはちゃんと書いたつもりだし、何度応募しても面接に呼ばれず、お断りのメールばかり…』という人も少なくないと思います。これまでにもイギリス・日本で学ぶ学生さんや後輩に求められCVの書き方についてアドバイスをしてきましたが、全ての人に次のような事を伝えてきました。

『CVを見ればその人の熱意が分かる。』

CV作成は書き手にある程度の自由度と裁量が任されているので、読み手はCVに少し目を通しただけで、書き手がどれほど真剣に書いてきたのかがとても良く分かるのです。良く考えられたCVほど『俺を見てくれ!俺の強みはこれだ!』という熱意を強く感じますし、その人の経歴や強みが理解し易いのです。

このように自分の実力と魅力を余すことなく100%伝えることが、CVを書く上でとても大切なのですが、何度応募しても面接に呼ばれない場合、自分の実力が熱意とともに100%伝わっていない可能性が高いです。このような状況に直面している人は改めて自分のCVを見直すことをオススメします。

CVの改善に終わりはない


F1への就職活動を始めて以来、僕は自分のCVに27回ものメジャーアップデートを重ねてきました。その過程の中で僕が意識するようになったことは次の3点です。

  • 必要十分な情報が抽出され、CVに落とし込まれているか?
  • 文章の表現やレイアウトが美しくまとまっていて理解しやすいか?
  • CVの紙面から自分のプロフェッショナルとしての価値を感じられるか?

このような意識とともに戦略的に考え抜いたCVを作り上げること。これさえできれば、面接に呼ばれる可能性は格段に高くなると僕は考えています。F1に限らず海外での就職を目指している人は、自分自身の珠玉のCVをぜひ作り上げることを強くおススメします。

次回はいよいよF1的な就職活動のススメの最終回となります。最終回は『F1就職最前線』をお届けする予定です。次回更新もどうぞお楽しみに!

[つづきはコチラ]

2018年10月13日

F1的な就職活動のススメ【英語の重要性その③】

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身近になりつつある英語の存在


今回のブログでは僕がこれまでに『英語の勉強を続けて良かったなぁ』と感じたことを紹介したいと思います。今、僕は英語を使って仕事をしていますが、ただそれだけで英語を学んだ価値があったとは思いません。F1の世界へと繋がる道程の中で、英語力があったからこそ得られたチャンスがたくさんありました。

僕の好きなOxfordの街並み
ところで、日本に帰国するたびにいつも感じることがあります。それは『来日する外国人がたくさんいるなぁ』ということです。僕が社会人になった時(2003年)にはこんなことを感じたことはなかったのですが、いよいよ日本国内でも英語力を活用するチャンスが増えてきたようです。グッと世界が近づいた感じがして良いと思いますが、皆さんはどうでしょうか?

世界の拡張と情報収集


英語を身に着けたことによって『世界が拡がった』とは多くの人が言っているかと思いますが、僕もそう感じることのできた一人でした。外国人の友達ができた時、その友達と一緒にどこかへ遊びにいった時、そして海外出張などでその友達と再会した時、様々なシーンで世界の拡がりを感じることができましたが、それ以上に重要な世界の拡がりがありました。

それは英語で書かれた『情報の世界』です。

F1エンジニアになって以来、F1へのキャリアについての質問をたくさん頂きましたが、実を言うと頂いた質問の答えの多くはGoogleで英語検索すれば簡単に手に入る情報ばかりでした。必要としている情報はすぐ身近に存在しているのに、そのことに気付けない…これは本当にもったいないと思います。

一つの例を挙げてみたいと思います。

ヨーロッパで就職する場合、CVと呼ばれる履歴書を人事に提出する必要があるのですが、日本の履歴書とは全く異なるフォーマットのため、そもそもどうやって書いたら良いのか分からないという人が少なくありません。こんな時にちょっとした英語力と情報検索リテラシーがあれば、知りたい情報に簡単に辿り着くことができます。

その情報へのアクセスの仕方のサンプルがコレ↓です。

"CV How to write"
情報へのトビラ
CVという単語に対してたった三つの単語"How to write"を付け加えて検索するだけで、目的とする情報に容易に到達することができます。このようなスキルはいったん身に着けてしまえば当たり前のように活用するようになるのですが、それが当たり前になるまではちょっと時間が掛かるかも知れません。

僕の場合、ゆっくりながらも英語を地道に勉強し続けた結果、日本語だけでは得ることの難しい貴重な情報に辿り着けるようになりました。


可能性を掴み獲る力


ブログの内容を考えている時、僕はヒントとなるアイデアを備忘録がわりにTwitterでつぶやくことがあります。今回のブログはまさにそのパターンなのですが、ここで次の僕のTweetを読んで下さい。


実はこのTweetに書いた『自分の力』は『英語力』を意図したものです。これまでのブログでも紹介したように、F1を目指す道程でたくさんの出会いがありました。その中には自分のキャリアを大きく左右した貴重な出会いもあり、英語を学びヨーロッパ圏の文化を知ったからこそ得られた出会いでした。

人との出会いなど将来の可能性に繋がるチャンスは、常に身近なところに存在していると僕は考えています。そのチャンスに気付けるようになるには、いくつかの『力』が必要となりますが、僕にとっての英語は外国人とのコミュニケーションツールとしてだけでなく、チャンスを掴み獲るために絶対に欠かすことのできない重要な力となったのです。

手遅れになる前に…


見えてこないチャンスのために英語学習のモチベーション維持することはとても難しいですし、不安を覚えることもあるでしょう。逆に人によっては『英語は必要な時になったら、その時に必死に勉強すればいいや~』と思って、手つかずのままでいる人もいるかも知れません。

しかし、これだけは覚えておいてください。とても残酷なことにチャンスというものは無限に存在するものではなく絶対的に有限です。そして、時間が経てば経つほどチャンスは失われていくのです。そうならないためにも『見えない可能性はいずれ見えてくるようになる!』と思い込み、将来訪れるであろうチャンスを確実に仕留められるよう、若い頃から準備しておくことを強くオススメします。

…と、ちょっと重い感じで書いてしまいましたが(汗)、英語を学ぶことは目標が何であれ、人生に少なからずプラスをもたらしてくれると思います。皆さんにとっても英語がそんな存在になってくれることを切に願っています。

情熱の炎は絶やしてはならないが…
3回に渡って英語の重要性について書き綴ってきましたが、いかがでしたでしょうか?F1を目指す皆さんにとってこの3回のブログが英語学習のモチベーションに繋がってくれれば幸いです。

次回以降のブログではF1チームへの応募方法やCV(履歴書)、Cover letter(挨拶状)などについて書く予定です。F1への情熱だけを伝えても採用してくれないのがF1チームへの就職というもの。どんなポジションであれF1チームの契約オファーを獲得するには、自分の実力をCVやCover letterでどう伝えるのかがとても重要になります。

それでは次回更新をどうぞお楽しみに!

[つづきはコチラ]

2018年9月20日

F1的な就職活動のススメ【英語の重要性その②】

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英語学習の取り組みについて


今回のブログでは僕が具体的にどのような取り組みで英語力を磨いていったのかを紹介しようと思います。ただし!最初に断っておきますが、世の中には僕よりも英語のできる日本人の方はたくさんいらっしゃいますし、英語教育のプロの方もいるので今回のブログはあくまで"ご参考"ということでお願いします。

英語学習に活用していたDVD
まず始めに僕の考える英語学習の本質課題から書いてみたいと思います。今回もF1とは全く無関係なトピックスですがお付き合いください。

英語の苦手意識はどこからくる?


いきなりですが、次の英語の文章をサッと読んでみて下さい。

"Prime Minister Theresa May wants to keep close ties with the EU in certain areas, such as trade in agricultural products and allowing skilled migrants access to jobs in the UK.

She says her plan will allow Britain to take back control of its laws, money and borders, just like people voted for in the 2016 EU referendum, while also allowing as 'frictionless' trade as possible and avoiding a physical border for Northern Ireland"

(出展:BBC News "At-a-glance: The UK'2 four Brexit options")

(引用元:BBC News公式サイト)
はい、どうでしたか?イギリス首相テレーザ・メイ氏がEUとの関係を今後どのようにしていきたいと考えているのか理解できたでしょうか??恐らく…ですが、『良く分からないし、とりあえず英語は読まずにすっ飛したぞ…』という人も中にはいるかと思います(汗)。

では次の例文はどうでしょうか?

"I play the game with PS4"

和訳は『私はPS4でそのゲームをプレイします』ですね?おそらく、文章の意味を直感的にすぐに理解できた人が多いかと思います。この文章が理解しやすいのは単に文章が短いだけでなく、使われている単語が『ゲーム(game)』、『プレイ(play)』といった日本人に馴染み深い言葉が使われているからだと思いませんか?

つまり、二つ目の例文に使われている英単語のように、単語の意味のイメージがアタマに刷り込まれてさえいれば、容易に意味が理解できるようになるわけです。しかし、この刷り込みができていないとアタマにスッと意味が入ってこないため、脳がストレスを貯めてしまうわけです。このストレスこそが英語への苦手意識を生み出していると僕は考えています。


僕が実際に取り組んだ英語学習


それでは僕がこれまでに取り組んできた英語学習を紹介したいと思います。全てを計画的に生真面目に実行してきたわけではありませんが、のんびりと、慌てずに、急がずに、地味~に、そして時にはサボりつつ取り組んできたことをここに書いておきます(汗)。

英字新聞[読解力トレーニング]

この学習をしていた当時はスマホやタブレットが普及していなかったので、日系英字新聞を定期購読していました。毎日届くわけではなく指定した曜日の新聞が届くサービスだったと思います。さすがに毎日届いても読み切れないので、僕は週一回の配布を選んでいました。

届いた英字新聞はカバンにいつも入れておき、移動時間や休み時間に読んでいました。今となってはスマートフォンで英字新聞サイトがカンタンに閲覧できるので、英語読解力の向上に取り組んでみてはどうでしょうか?最初はなじみやすい日本の時事ニュースを英語で読むのが分かり易くて良いかと思います。

(引用元:Japan times公式サイト)

モータースポーツ好きならイギリスのAutosportもお勧めです。ちょっと英語は難しくなりますがAutosportはゴシップ記事を掲載しないポリシーなので、確かな取材に基づく良質な情報が得られるのでおススメです。

DVD鑑賞・BBC Podcast[聴覚力トレーニング]

もはや英語学習の鉄板と言っても良い学習アイテムですね。僕の場合は比較的理解のしやすいジブリ映画のDVDを英語音声で鑑賞していました。また、ディズニー映画のDVDも英語音声でしか見ません。

DVD鑑賞は取り組みやすい英語学習なので継続的な取り組みをおすすめしたいです。取り組み方の一例として、最初は日本語字幕を活用して英語の音と意味を関連付け、その後に英語字幕にスイッチ、最後は字幕なしで見るようにすると良いかなと思います。

BBC Learning English公式サイト

次にオススメしたいのがイギリス放送協会BBCが提供する英語学習サイト"BBC Learning English"です。そのプログラムの中に"6 minute English"というページがあります。この番組では様々なトピックスを聞き取りやすいイギリス英語で学ぶことができるのでとてもオススメです。他にもたくさんのコンテンツがpodcastとしても配信されているので、ぜひチェックしてみてください。

メールコミュニケーション[表現力トレーニング]

このトレーニングは他と比べてちょっと敷居が高くなります(汗)。なぜならコミュニケーションを取る外国人の相手が必要なためです。いきなり外国人の友達を作るのはちょっと難しいかも分かりませんが、自分の場合は仕事を通じて仲の良くなった友人とメールで近況報告のやり取りをすることで英語を書く機会を作っていました。

また、日産自動車で働いていた頃は海外企業との共同プロジェクトを任せてもらえるよう積極的に上司に働きかけ、英語コミュニケーションの機会を作っていました。英語を使う仕事を積極的に任せてほしいという人は逆に珍しかったので、機会は得やすかったかも?知れません。

出張で訪れたApplus IDIADAのテストコース(公式サイトより引用)

仕事で得られる英語コミュニケーションの機会はメールのやり取りだけでなく、プレゼンテーションのリスニングや海外出張など緊張感を伴うタスクも多いため、英語力向上にとても貢献してくれたように思います。

ところで、10年くらい前に友人へ送ったメールを見直してみたのですが、恥ずかしいくらい稚拙な英語で書かれていてビックリしました(汗)。『いやーそうは書かないよね…?こう書かないと!』といった感じで昔の自分にツッコミを入れてしまいましたが、あれから10年経ち、積み重ねの大切さを改めて痛感した次第です 。

英会話学校[会話力トレーニング]

英語を学習する上で最難関となるのが『英語を話す力』の獲得です。とにかくアタマの中の考えを瞬時に英語にして話し続けなくてはならないのですが、先に書いたように英語の意味のイメージ刷り込みができていないと話すのはかなり難しいと思います。

ともあれ英会話力は話すことでしか伸びませんし、イメージ刷り込みをより深めるためにも僕は英会話学校に毎週通っていました。お小遣いが厳しかったので週一回だけでしたが『いずれこの投資が役に立つ日が来る!』と信じながら英会話を楽しんでいました。

ドライバーとのコミュニケーションももちろん英語
(引用元:フォースインディア公式サイト)

しかし、英会話学校に通う場合どうしても学費(週一回で月額一万円ほど)が必要になってしまいますよね。なので、自分から積極的に英会話の機会を作るのも良いと思います。例えば最近は外国人観光客がとても増えているので、地図を見て困っている人がいれば道案内をしてあげたりするのも良いかも知れません。

昨年の一時帰国中、新宿駅でどのホームに行けば分からずに困っていた外国人がいたので『吉祥寺なら総武線で三鷹行きに乗るといいですよ。中野行きに間違えて乗っちゃうといけないので、ホームまで案内しますね』といった感じで道案内をしてあげたことがあります。結果的に自分が終電を逃してしまいましたが(笑)。

このように、日常生活でも英会話をする機会は昔に比べて増えていますし、友人関係を辿っていけば外国人の友人を作ることも不可能ではないと思います。ぜひ、自分から積極的に英会話の機会を追い求めてみることをオススメします。

僕の考える重要ポイント

4つのカテゴリごとに僕の取り組みを紹介しましたが、いかがだったでしょうか?何か特別なことをしていたわけではなく一般的な勉強方法だったかと思います。最後に、僕の考える英語学習の大切なことを二点ほど書いて、今回のブログを締めたいと思います。

重要ポイントその①

英語に触れる機会を増やす努力をしましょう。待っていても英語を使う機会が増えることはありませんし、とにかく積極的な姿勢を保っていないと日本で英語力を伸ばすのは難しいかなと思います。

重要ポイントその②

どんな英語の学習方法であれ続けること。僕は純粋な日本語話者ですし、今も自分の英語力が十分であるとは思っていません。英語を必要とする限り、ずっと英語学習を続けるつもりでいます。

千里の道も一歩から、ちりも積もれば山となります。一緒に英語学習を頑張っていきませんか??

[つづきはコチラ]

2018年9月15日

F1的な就職活動のススメ【英語の重要性その①】

[前回のブログ]
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英語と仕事と


今回のブログのテーマはズバリ『英語』です。このテーマで書き始めてみたところ、どうも一回きりでは書き切れなさそうだったので、複数回に渡って英語をテーマに書いていこうと思います。

さて、先日のport Fさん主催のトークイベントでは参加者の方々から事前に質問を募りましたが、その中には『どうやって英語を勉強しましたか?』という質問がとても多く見られ、英語学習への関心が高いことが分かりました。トークイベントでその質問にお答えすることはできるものの、その答えはより多くの人に伝えた方が良いと考え、ブログテーマとしてお答えすることにしました。

英語リーディングもF1関係ならヤル気が出るかも?
今回のブログでは、僕の学習方法を単に紹介するだけではなく、英語を身に着けたことで何が変わったのか?F1を目指す上でなぜ英語が重要なのか?そのことについても書き触れてみたいと思います。

僕の英語の歴史


最近では幼稚園の頃から子供を英語教室に通わせるなど幼少期からの英語教育が流行っていますが、すでに40歳を過ぎている僕が英語学習を始めたのは中学一年生からです。そう、僕は基礎言語が日本語の純粋な日本人です(汗)。

学生生活で実際に外国人とコミュニケーションした経験はほぼゼロで、英語は学校で学ぶ科目の一つに過ぎませんでした。中学生以降はとにかく受験を切り抜けるために仕方なく勉強していました。数学、物理、化学は好きだったのですが、普段から使い道がほとんどない英語は僕にとって楽しくない&苦手な科目でした。

さらに国語も得意ではなく、大学入試センター試験の国語は最も苦手意識の高いテストでした。例えば、物語文の読解問題では『この時の主人公Aの気持ちとして適切なものを次から選べ。』という設問をよく見かけますが、『いや、俺、主人公Aじゃないし気持なんか分からんし。』…結果、自分の価値観で選んでしまい得点が伸びないという困った高校生でした(汗)。

Oxford University Christ church college
実は大学時代に父親から『1年くらい休学して海外の大学に留学してみたらどう?』と提案されたことがあったのですが、僕はその提案に対して『今はカートレース活動の方が大事だし、留学費用を出してくれるくらいならレース活動の資金として提供してくれる方がありがたいよ!』と返答したのです。

今となっては調子に乗ったこの発言を猛省することしきりですが、内心では『日本語の通用しない世界に踏み出すなんて恐くてできっこない!』と思っていました。もし、かつての自分に会うことができるのであれば『留学もいいぞ~』と間違いなく説得していたと思いますが(笑)。

と、ここまでの僕の英語学習の経緯を知れば、最初から英語達者ではなかったことが分かると思います。決して今も達者と言える程のレベルではないのですが、いわゆる『学校では勉強したけど、英会話とかは全然ダメ!』そういったごく普通の日本人でした。ちなみに初海外は2005年の28歳の時で、当時勤務していた三菱自動車で出張としてイギリスに渡りました。完全に日本語の通じない世界に初めて踏み入った時のあの緊張感は忘れることができません。


英語学習のキッカケ


僕が英語学習を本格的に開始したのは学生時代に就職活動を迎えた時でした。これまた普通のキッカケですね(汗)。しかもご多分に漏れず、まずはTOEICの受験から始めるという王道パターンでした。当時は今ほどTOEICの点数が企業採用として重要視されていなかったため、就職活動のためというよりも純粋に英語力確認のためにTOEICを初受験(確か2002年)したことを記憶しています。

ところで、僕がかつて勤務していた日産自動車は今では新卒入社時にTOEICで700点以上が求められるそうです。ルノーとのアライアンスのためか、これまで以上に業務で英語を使う機会が増えており、要求レベルは年々高まっているようです。

(引用元:国際ビジネスコミュニケーション協会公式サイト)
何はともあれ、就職活動をキッカケに英語学習を本格的に再開することになったのですが、TOEICに対してはあるポリシーを持って取り組んでいました。それは『TOEICのための勉強はしない』ということです。いずれF1の世界で働くために必要なのは、コミュニケーションツールとしての英語力でありTOEICの点数ではないと考えたからです。あくまでTOEICは実力を測るためのモノサシにしか過ぎません。

そんな僕のTOEIC初受験の時のスコアは510点でした。リスニングとリーディングの点数の内訳は覚えていませんが、リスニングの方が少しだけ良かったと記憶しています。この点数レベルで確実に言えるのは、大学生の頃の自分にはイギリスでエンジニアとして働けるだけの英語力は全くなかったということです。そんな僕が今となっては英語をそれなりに使いこなしてF1エンジニアとして働いているわけですから世の中分からないものです。大学生の頃はこんな風になっていることなど想像すらできませんでしたし、そもそもその頃の僕の予定ではホンダでF1の仕事に携わっているはずでした(笑)。

次回のブログでは、TOEICスコア500点台からどのようにして英語力を向上させていったのか?具体的な取り組み方を紹介しようと思います。

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2018年9月5日

F1的な就職活動のススメ【4つの大切な要件】

[前回のブログ]
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僕の考える大切な4つのこと


さて、前回のブログでは『働くこと』に関して僕なりの考えを書き綴りました。今回は『どうしたらF1の世界で働けるようになるのか?』という核心的な部分について書いてみようと思います。自分のこれまでを振り返りそのエッセンスを抽出してみた結果、次の4つの要件に辿り着きました。
  1. 明確な目標を持っている
  2. 目標実現に向けて課題を洗い出すことができる
  3. 課題克服に向けて一歩を踏み出すことができる
  4. 技術への強い探求心を持っている
(引用元:Force India採用ページ)
意外とシンプルな要件のようにも思えますが、今回のブログではそれぞれの要件を掘り下げてみたいと思います。

明確な目標を持ってみよう


F1に限った話ではないのですが、自分の将来を考える上で重要なことは『目標を持つこと』だと僕は思います。F1を目指している人はすでに『F1』という目標があるので、この点で大きく悩むことはないでしょう。ただ、さらに大切なことがあります。それは目標が明確であることです。

F1を目指す上で、目標を明確にすることは意外に難しいのです。なぜなら単にF1と言ってもその仕事内容は多岐に渡りますし、その中から自分が携わってみたい仕事を選ぶ必要があるからです。さらに日本ではF1の世界にどんな仕事があるのか、そもそも知られていないので余計に難しくなっているように思います。

(引用元:Force India採用ページ)
(引用元:Red Bull Racing公式サイト)
ではどうすれば良いのか?F1での仕事を知るベストな手段の一つは、各F1チームの採用情報ページを定期的に確認することです。上に掲載している画像はフォースインディアとレッドブルの公式サイトですが、どのチームの公式サイトにも『Career』または『Jobs』と書かれているページが必ず掲載されています。これが採用情報のページです。

各チームの採用情報ページは不定期ながらも結構な頻度で更新されていますから、全てのF1チームの求人情報を日々チェックするだけで、F1業界での仕事がおおよそ把握できるようになるはずです。

この採用情報ページを常日頃からチェックして、まずは目指すF1の世界がどんなものなのかを学びましょう。そして、ある程度その世界観が把握できたところで自分の携わりたい仕事(目標)を明確にしてみることを強くお勧めします。

課題を洗い出す力を身に着けよう


さあ、目標が明確になったら次のステップに進みましょう。次のステップは目標達成のために何が足りていないのか?自分自身の抱える課題をしっかりと洗い出すことです。ここで例を挙げてみましょう。以下の英文はあるチームの車両運動性能の開発エンジニアの求人に書かれていた人材像です。

"The successful candidate will hold a degree or equivalent qualification in Engineering, Mathematics or Physics. A strong background in vehicle dynamics and/or mathematics with extensive knowledge of vehicle dynamics modelling is essential and knowledge of Matlab, Dymola or Modellica would be beneficial"

[和訳]『応募者は工学、数学または物理学の学位またはそれに相当する能力を有していること。さらに車両運動理論について精通し、車両運動の数理モデル化に関する深い知見を有していること。なお、Matlab、DymolaおよびModelicaに関する知識を有しているとなお良い』

この文面を読めば、この採用では大学や高専などで学ぶ工学、数学および物理などの基礎に加え、車両運動理論やシミュレーションソフトを応用したモデリングのスキル・経験が求められることが分かります。もう一つ例を挙げてみましょう。このポジションは、とあるチームの空力開発エンジニアの求人になります。

"Reporting to the Deputy Head of Aerodynamics; in Parma, Italy. Responsibility to support and develop the operational aspects of the Aerodynamics Department. Areas of influence will include experimental development, computational development, full size components and departmental software development"

[和訳]『(このポジションの)レポートラインは空力開発部の副部長で、職場はイタリアのパルマとなります。職務は空力開発部門のオペレーション面の開発およびそのサポートになります。実験技術、数値解析技術、フルスケール(実寸大)部品の開発、および空力部門で開発しているソフトウェア開発が主な担当領域です。』

このポジションでは多岐に渡った経験とスキルを求められており、深さよりも広さに優先度が置かれた要件という印象を感じます。参考までにこの求人情報に記載されていた主な業務内容を次の画像で紹介します。項目数はちょっと多めですが、英語力向上のため読解はご自身で!

Key Responsibility of the position
このようにF1チームの採用情報ページを読み解いていけば、F1エンジニアとして求めれる要件はかなり理解できると思います。少し話は逸れますが、採用情報ページでは専門用語が英語で書かれており、理解が難しい部分が多々あるかも知れません。しかし!こういう時にこそ英語を学ぶ良いチャンスです。ちゃんと意味を調べ、書かれていることが理解できるように頑張ってみてください。

さあ、求められる要件が理解できたら、あとは自分の能力・経験と照らし合わせて自分に足りていない部分を明らかにするだけです。スキルはあるが経験が不足しているのか?そもそもスキルがないのか?その状況は人それぞれです。過去に自分が取り組んできたことをしっかりと振り返り、自分に足りていないものを把握することに勤めてみると良いです。


最初の一歩を踏み出してみよう


目標も明確にしたし、課題も洗い出した。でも課題を克服するにはどうしたら良いのか?実はこれが一番難しく、そもそも何をしたら良いのか分からない…という人も多いのではないでしょうか。間違った方向に進んでしまうことを恐れるあまり、他の人の取り組み方を気にし過ぎたり、そもそも一歩を踏み出すことを躊躇してしまう人もいると思います。

Go Forward, Esteban!!
(引用元:Force India公式サイト)
ただ、これだけは覚えておいてください。F1の世界のドアを自ら叩き、この世界に入って来た日本人エンジニアやメカニックの方に共通して感じられることがあります。それは『自分自身でどうすべきかをしっかりと考え、それを実行している』ことです。F1に至るまでの道程で躊躇した様子は全く感じられませんし、掲げた目標に対して『自分には出来そうにない』と思っている様子もありませんでした。

先日、こんなことを経験しました。

Milton Keynesにあるレンタルカートのサーキットでは毎年恒例の24時間レースを開催しています。そのレースに参加した時のことです。チームの構成メンバーは全員F1エンジニア。メンバーの所属先F1チームはバラバラでしたが、誰が言うまでもなく『優勝する』というチーム目標を掲げていました。チームリーダーは昨年、一昨年の各参加チームのデータを詳細に渡って分析し、レース戦略を立案していました。お遊びのレースではありましたが全員が『絶対に勝つぞ!』と本気で思っていましたし、その戦略に基づきメンバー全員が『自分は何をすべきか?』を考えて実行していたことがとても印象に残っています。


最初の一歩を踏み出す時、誰もが不安になります。なぜならその一歩が本当に正解なのか分からないからです。しかし、この世界に真の正解なんてどこにもありませんし、そのことを気に病んでも仕方ありません。仮に間違っていたとしたら、どうして間違えたのかを顧みつつ新しい方向へと一歩を踏み出せばよいだけのことです。時には思慮深く、時には無鉄砲に…どんなスタイルでも構いません。小さなことでも良いので、まずは最初の一歩を踏み出すことから始めてみてください。

技術への探求心こそエンジニアの魂


最重要であり絶対に必要な要件と考えているのが、技術への飽くなき探求心です。いや、そもそも探求心を持たずしてエンジニアになるべからず、と言っても過言ではないかも知れません。

F1の舞台裏では日々ライバルチームに勝つために様々な技術が研究・開発されています。空力技術、シャシー技術、パワーユニットの出力・燃費向上技術など、その技術領域は想像を絶するほど広く、かつ深さがあります。その激しい技術競争の中、並大抵の探求心では勝ち上がっていくことはできません。

正直に書くと、僕は自分の中にある探求心を意識的に高める努力をしています。そもそも僕はラクな方向に流れていく癖があるので、それを半ば強制的に修正しています。そうでもして緊張感を維持しておかないと、あっという間にF1の世界の激流に呑み込まれ、平々凡々なF1エンジニアのままで終わってしまうと思っているからです。

Checo and Race Engineer
(引用元:Force India公式サイト)
とても華やかなに見えるF1の世界。しかし、レースに関わる全ての人は熾烈なプレッシャーに晒されつつ自身のすべきことに常に集中しています。そのプレッシャーに打ち勝ち、好結果を得られた時は最高の気分を味わうことができる…それがF1という世界での仕事なのです。

それでは最後に僕のツイートを紹介して、このブログを締めたいと思います。このツイートこそ、僕の今の仕事への想いそのものです。


世界最高峰のレース、F1。この世界の仕事で得られる喜びも世界最高峰です。一緒にこの世界で戦ってみませんか??皆さんの挑戦をお待ちしています。

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2018年8月25日

F1的な就職活動のススメ【はじめに】

[重要なお知らせ(Important notification)]


はじめに。


2018年2月より始めた連載ブログ『僕がF1エンジニアになるまで』では、僕がどのようにしてF1へとたどり着いたのか?その軌跡を紹介してきました。F1ファンの皆さんにとってF1の世界を身近に感じるキッカケとして、これからF1を目指す若い人にとっては今後のキャリア形成の参考になれば…とその一心で書き綴っていました。

VJM11(引用元:フォースインディアF1公式サイト)
おかげさまで本当に多くの方々に読んで頂けましたが、F1を真剣に目指す若手の皆さんからすると少し物足りないところがあったようです。2018年夏のport Fさん主催のトークイベントで募った質問の中には『F1の世界で働くには具体的にどうすれば良いのか?』という質問が数多く寄せられており、とても関心が高いことを知りました。

そこで、その関心に(可能な限り…)応えるべく、学生時代の就職活動とF1への転職活動で得た経験を元に『就職活動』をテーマとして複数回に渡ってブログを書いてみたいと思います。そして『どうしたらF1の世界で働けるようになるのか?』その疑問に答えたいと思います。

いちばん大切にしているモノ


そもそもF1エンジニアである前に社会人として、僕が何を考えながら働いているのか?そのことを最初に書きたいと思います。幸いなことに僕は心身ともに健康で何の不安もなく働くことができます。そして、いつもこう思っています。

『仕事を通じて社会に貢献したい』

この考えは社会人としてのスタートを切った三菱自動車に勤める頃に持つようになりました。不祥事の発覚で揺れる中、『なぜ僕はここで働いているのか?』そんなことを自問自答する日々が続いていたからです。

(引用元:レスポンス)
その時に気付いたのです。『自分が健康である限り、どんな仕事、働き方であれ社会に貢献すること。そしてその対価として給料をもらうこと』が働くということなのだなと。自動車メーカーでエンジニアとして働くのであれば、信頼性が高くて安心して乗れるクルマ作ること。これが社会貢献に繋がると思います。気付いてしまえば当たり前のことですが、恥ずかしながら大学生として就職活動をしている時に、僕の頭にこの考えが強く認識されることはほとんどありませんでした。

今でこそ僕はF1エンジニアとして働いていますが、この考えはずっと変わりません。仕事を通じてドライバーに少しでも速いF1マシンを提供すること、レースを通じて世界中のF1ファンにレースを楽しんでもらうこと。これが今の僕がなすべき社会貢献と考えています。


まず考えてもらいたいこと


仕事を通じて目指すものが何であれ、就職活動に取り組むにあたって考えてもらいたいことがあります。それは『どのようにして社会を幸せにしたいのか?』ということです。多くの場合(かくいう自分もそうだったのですが…汗)、就職活動を迎える頃になると自分は何をしたいのか?という自分を中心に置いた考えだけで行動する傾向が見られます。

そうではなく、まずは自分の生きる世界を今まで以上に見渡してみてはどうでしょうか?そして、いろいろな人に会って話をしてみてください。今となってはインターネットには様々な情報がありますし、TwitterやFacebookなどで人の存在を知ることができ、話しかけることも可能な時代です。しかし、そんな時代であっても百聞は一見に如かずだと思います。このブログもまさにインターネット上の情報ですが、僕の知っていることのほとんどはブログに書くことができません(汗)。Twitterも同じです。だからこそ実際に人と会って話をすることはとても重要だと思います。

最終的に自分の生きたい世界への理解が深まってくれば『この仕事を通じて社会に貢献すれば、自分も幸せになれるのではないだろうか…』と感じられるようになるのではないでしょうか。

以上が今回のテーマでブログを書くに当たっての僕の想いです。次回のブログでは『どうしたらF1の世界で働けるようになるのか?』この疑問に対する僕の直球回答を書きたいと思います。もちろん、F1への具体的な就職活動についても今後書いていこうと思いますので、どうぞお楽しみに!

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2018年7月15日

僕がF1エンジニアになるまで【完結編②】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ(Important notification)]


最終回にあたって。


『僕がF1エンジニアになるまで』いよいよ完結となります。

今回のブログ更新では、フォースインディアF1チームから契約オファーを受けてからの僕の気持ちと現在の意気込みを書きたいと思います。そして、このブログを読んで頂いた読者の皆さんへのメッセージと、これから夢を実現したい人たちへのアドバイスも書きたいと思います。


また、なぜ『僕がF1エンジニアになるまで』を書くことにしたのか?そのモチベーションの源泉となった気持ちも綴ろうと思います。今回のブログはちょっと長くなりますが最後までお付き合いください。そして、『僕がF1エンジニアになるまで』を最後までお読み頂き本当にありがとうございました。

終わりから始まりへ。


フォースインディアF1チームから契約オファーをもらえたことでようやく開いたF1への扉。少しは落ち着ける日が過ごせるようになるかな…と思ったのも束の間でした。安堵と入れ替わるようにして僕が抱いたのは『恐怖』という感情でした。

それまでにF1での業務経験はもちろん皆無でしたし、モータースポーツ車両の開発経験もごく僅か。そんな僕がF1の世界でいきなり結果を出すことができるのか?このような疑問が僕に『恐怖』という感情を持たせたのだと思います。正直、自信なんて全くありませんでしたが、そもそも自信とは結果を出してこそ得られるものです。F1での仕事の自信はF1の世界で結果を出す以外に得られません。

また、F1に辿り着くことは僕のキャリアにとっては単なる通過点であり、始まりでしかありません。このことを再認識した僕は、今更ながら自分が飛び込もうとしている未知の世界に慄くのですが、それと同時に『ワクワク』という感情も持つようになります。

(引用元:フォースインディアF1公式サイト)
具体的には『F1の世界ではどれほどエキサイティングな仕事が待ち受けているのだろう?早くチームの戦力となって速さに貢献したい!』という感情です。そして、自分の人生において最も重要な新スタートを迎えることにあたり、こう決意を新たにします。

『いずれF1で勝てるクルマを開発してみせる!』

今、僕はこの決意とともにシルバーストーンにあるフォースインディアのファクトリーで、Vehicle Science Engineerとしての仕事に日々没頭しています。フォースインディアのような独立系チームがいつかトップチームに打ち勝つ日を夢見ながら。

F1を目指した日々の中で。


長きに渡ってF1を目指して頑張ってきました。決してラクではありませんでした。僕の実力不足が原因で大きな遠回りもしていたと思いますし、とてもツラい日もありました。それでも僕は常日頃からF1への夢をたくさんの人に語っていました。

大学時代の同期、三菱自動車と日産自動車の仲間、全日本学生フォーミュラの設計審査員の仲間、レーシングカートの仲間、ラジコンの仲間、学生フォーミュラで面倒を見てきた学生の皆さん、F1ですでに働いていた先輩の皆さん、そして何よりも自分の家族。自分でも恐ろしくなるくらいに大風呂敷を広げていたと思います。もうあとには引けないほどに。

(引用元:フォースインディアF1公式サイト)
しかし、僕の場合、とてつもなく大きく広げた大風呂敷が功を奏したようです。小さな可能性が少しずつその大風呂敷の中に積もっていき、ある時それが大きな可能性へと昇華したからです。さらに、その大風呂敷に巻き込まれつつも『応援しているよ!』と純粋に言ってくれるポジティブな人間関係も大きな可能性への昇華を手伝ってくれていたように思います。

だから僕は、もし叶えたい夢があるならば、それを誰かに話してみるのがいいと思います。『叶わなかったら恥ずかしいし…』と躊躇する気持ちもなくはないですが、自分の夢を誰かに話すことで自分はもっと頑張ろうとしますし、話相手となった人は『自分も頑張ろう!』と思ってくれるかも知れません。

夢の共有は双方にポジティブな影響を与え合うと僕は思います。多くの人と夢を共有すればする程、ポジティブな人間関係は大きな広がりを持つことになり、いつの日か自分の望む『何か』が起きると僕は信じています。


F1という夢の実現とは。


今、読者の皆さんの心の中にはどんな夢がありますか?人それぞれ様々な夢や想いがあると思いますが、その夢の実現に向けて一歩を踏み出すことは時として大きな勇気とリスクを伴います。だから、僕は夢の追求を安易に人にオススメすることができません。

(引用元:フォースインディアF1公式サイト)
それでも、僕がF1エンジニアになるという目標を達成できたのは、

『少しずつでもいいから、一歩一歩前に進んでいこう』

と決めていたからです。さらに何か決断を下さなければならない時は、

『ちょっとだけ難しい方を選んでいこう』

とも決めていたのです。これが僕の選んだスタイルでした。

僕は夢の実現とは『自分がありたいと思う姿と、今の自分の姿との差分を埋めていく修行の旅』だと考えています。このような旅に、僕のスタイルが全ての人に合うとは思いませんが、これから夢の実現に向けて頑張ろうとする人にとって、僕の経験してきたことが少しでも参考になれば幸いです。

僕が伝えたかったこと、伝えたかった人


2月末より連載を始めた『僕がF1エンジニアになるまで』ですが、この記事を書くにあたり、いくつかのモチベーションがありました。その中に源泉となったモチベーションがあります。正直に書くと、あるたった一人のためにこのブログ記事を書くことを決意したと言っても過言ではありません。

そのたった一人とは、日本で暮らす僕の愛娘です。

海の向こうに広がる世界を見据えて!
今はまだ5歳なので、このブログの存在も知りませんし読むこともできませんが、娘が成長して大きくなれば、彼女の中にきっと夢が芽生えてくると思います。それがどんな夢になるのか今の僕には知る由もありませんが、彼女がその夢を実現しようとした時、恐らく壁にぶつかり、悩み、苦しむと思います。

その時に僕がどんなふうに自分の夢や目標を実現してきたのか?それを知ってもらうことが彼女にとって良き道標になればいいな…と、そんな思いでこのブログ記事を綴っていました。

F1を目指す気持ちが強く、自分の夢の実現を優先するあまり、父親としては100点満点だとは決して言えません。その償い…という訳ではありませんが、F1の世界での夢や目標を実現することで、彼女にとって大いに誇れる父親になれるよう、これからも日々頑張っていきたいと思います。

そして将来、彼女が夢の実現に向けて歩みだした時、僕は彼女の夢を全力で応援してあげたいと思います。

終わりに。


4ヶ月以上に渡る連載ブログ『僕がF1エンジニアになるまで』を最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。このブログを通じて、読者の皆さんの心にポジティブな"何か"が芽生えたのであればとても嬉しい限りです。

それでは、連載ブログテーマ『僕がF1エンジニアになるまで』、最後はこの言葉で締めさせて頂きたいと思います。

『どうか、皆さんの夢も叶いますように。』


[おわり]


【目次】僕がF1エンジニアになるまで


01. はじめに

02. 学生就職活動編①
03. 学生就職活動編②

04. 三菱自動車時代①
05. 三菱自動車時代②
06. 三菱自動車時代③

07. 第一次転職活動編①
08. 第一次転職活動編②

09. 日産自動車時代編①
10. 日産自動車時代編②
11. 日産自動車時代編③

12. 第二次転職活動編①
13. 第二次転職活動編②
14. 第二次転職活動編③
15. 第二次転職活動編④

16. フランス修行編①
17. フランス修行編②

18. 第三次転職活動編①
19. 第三次転職活動編②

20. 神様のプレゼント編

21. 完結編①
22. 完結編②

2018年7月8日

僕がF1エンジニアになるまで【完結編①】

[前回のブログ]
[重要なお知らせ(Important notification)]


さよなら、リヨン。


フォースインディアF1チームの面接も終わり、結果連絡を待っていた僕は、日本への帰国に向けてフランスならではの少々面倒な日々を過ごしていました。というのもフランスでは手続きごとは書面で通達しないとダメなことがほとんどで、フランス語力ほぼゼロの僕には苦行以外のなにものでもありませんでした(汗)。

アパートからのリヨンの眺望
次の仕事が確定していなかったこともあり、苦行な日々の中での心情はとても複雑なものでしたが、夏のファクトリーシャットダウン明けから2週間以内に連絡をするとのことでしたで気長に待つしかありませんでした。

どうにかこうにか現地の日本人やフランス人の助けのおかげで帰国の準備も無事に終わり、とうとう日本への帰国の日を迎えました。一年にも満たない、たった10ヶ月というフランスのリヨンでの生活。名残惜しさを感じつつ帰国の途に就きました。楽しくもあり、辛くもあったフランス生活でしたが、確実に僕を成長させてくれたように思います。

3.5次転職活動


前職であるSiemens Industry Software SASからは10月まで給与を頂けることになっていたので、すぐにお金に困ることはなかったのですが、オファーがもらえなかった場合に備え、念のため国内での転職活動を始めました。

幸いなことに多くの魅力的な企業からお話を頂くことができたのですが、その中でもドイツに拠点を持つIPG Automotive社の面接を受けさせて頂き、フォースインディアF1チームからオファーがもらえなかった場合はお世話になるという前提で内定を頂くことができました。IPG Automotive社CarMakerという車両運動シミュレーションソフトウェアが有名で、ドイツに拠点を置く会社です。

(引用元:IPG Automotive Japan公式サイト)
実はIPG Automotive社とは日産自動車在職時にちょっとしたご縁がありました。2014年の自動車技術会の春季学術講演会で学術発表をさせて頂いた時、同じ発表セッションにドイツ本社から来日していたIPG Automotive社の方々がいらっしゃったのです。セッションの合間に歓談したり、ちょっとしたビジネスの話もさせて頂いていました。

ただ、そういったご縁があったとは言え、『F1入りが実現しなかったら貴社でお世話になりたい』という、僕の一方的で勝手な都合にご理解を頂けたことについては、感謝しても仕切れません。

このように、僕のF1への転職活動では本当に多くの方々に応援・支援を頂くことができたのですが、そんなありがたい状況に感謝しつつも、いよいよ待望の瞬間を迎えることになるのです。


待望の結果連絡をもらうが…


運命の連絡は2016年8月30日のことでした。現在の上司からまずはメールで連絡が入りました。ドキドキしながらメールを開くと『電話で直接話がしたいのだけど、日本で繋がる番号を教えてくれるかな?』とのことでした。『え?電話で?』と少々戸惑いましたが、電話番号を連絡したところ、すぐに電話が鳴りました。

その時に話したことは極度の緊張のために鮮明には覚えていないのですが、一つだけ鮮明に覚えていることがあります。それはもちろん…

『君に契約のオファーを出したい。』

という言葉でした。F1への扉を開くために何度も、何度も、懲りることなくノックしてきましたが、ようやく…ようやくその扉が開いた瞬間でした。この時の僕の心情は歓喜というよりも安堵の方が強かったことを記憶しています。もちろん電話が終わってからは三回ほどガッツポーズをしましたが(笑)、実際にオファーをもらってみると、これまでのことが思い出され『少しは落ち着けるようになるな…』という安堵感に包まれました。

2016年全日本学生フォーミュラ大会会場にて
F1への就職活動を始めて、日産を退職しフランスへ移住。そして解雇と同時にフォースインディアF1チームとの面接…。仕事そのものだけでなく、自分の将来を切り拓くためにたくさんのことを考えては実行し続けてきました。このため、ずーっと張りつめていた僕の心はちょっと疲れていたのでしょう。安堵感はそんな心模様を反映していたのかも知れません。

この時の上司との電話では、契約オファーの他に年俸の交渉、その後の就労ビザの手続きについての簡単な説明を受け、『近いうちに再会するのを楽しみにしているよ!』という言葉をもらい電話を切りました。ここまでの感情は『歓喜』から『安堵』という流れでしたが、そう簡単に安堵することなどできないのがF1の世界なのかも知れません。

『安堵』の次に僕を包んだ感情は『安堵』とは全く正反対の感情だったのです。

[つづきはコチラ]


【目次】僕がF1エンジニアになるまで


01. はじめに

02. 学生就職活動編①
03. 学生就職活動編②

04. 三菱自動車時代①
05. 三菱自動車時代②
06. 三菱自動車時代③

07. 第一次転職活動編①
08. 第一次転職活動編②

09. 日産自動車時代編①
10. 日産自動車時代編②
11. 日産自動車時代編③

12. 第二次転職活動編①
13. 第二次転職活動編②
14. 第二次転職活動編③
15. 第二次転職活動編④

16. フランス修行編①
17. フランス修行編②

18. 第三次転職活動編①
19. 第三次転職活動編②

20. 神様のプレゼント編

21. 完結編①
22. 完結編②