2018年6月17日

僕がF1エンジニアになるまで【第三次転職活動編②】

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最後の鍵を求めて


様々な紆余曲折を経て、ようやく…ようやく掴み取ることのできたフォースインディアF1チームとの面接の機会。この面接で失敗することはF1への道がほぼ閉ざされることを意味していました。そんな状況は精神的にラクではありませんでしたが、不思議と悲観的にはなっていませんでした。

なぜなら、それまでに受けてきた面接を経て自分に足りないものが何なのか?そのことがかなり明確になってきていたからです。その足りないものをきっちりと補うことが出来れば可能性は十分にある…そう感じていました。

僕の取った面接への対策とは…
今回のブログでは、フォースインディアF1チームとの面接に向けて僕がどのような心構えを持ち、どのようなことをして面接に臨んだのか?ということについて紹介しようと思います。

後悔は最初からいらない。


『自分にやれることは全部やりました。残念ながら望んだ結果を得ることはできませんでしたが、後悔はありません。』どこかで聞いたことのあるような言葉ですが、そんな結末を迎えたくなかった僕は、全く異なる意識を持つようになりました。それはこんな意識でした。

『どこまでやれば後悔せずに済み、望みうる結果を得られる?』

誰しも失敗に終わることなど望みませんが、目標を達成するためにどこまでやればいいのか?それを明確にせずに『とりあえず思いつくことをひたすらやってみた』だけでは不十分と考えたのです。もちろん、考えに考えを重ねたところで『どこまでやればよいのか?』という疑問への正解に辿り着くことは絶対にできません。けれども限りなく正解に近づくことはできるはずです。

自分に後悔なんていらない…そう思いつつ自分の課題をとことん見つめなおすことにしたのです。


面接で直面した課題とは?


当時の自分の課題を簡単に表現するのであれば『伝えるべきこと』、『伝えたいこと』が相手に伝わっていないということでしょう。自分のCV(履歴書)に関しては多くのアップデートを重ねて改善した結果、読み手に自分の技術力や強みが伝わるようになっていたのですが、肝心の面接となるとイマイチという状況でした。

そもそも英語が母国語ではないので、他の候補者と比べると表現力という点ではまず敵いません。この課題に対して僕がどのような対策を取ったのか?それをここで紹介しようと思います。

作成した面接用の資料
①説明のストーリーラインを設計する
僕が受けた面接で全てに共通していたのは、面接開始早々から自己紹介もほどほどに『じゃ、早速ですけど、これまでにどんな仕事をしてきたのか説明してください。』と要望されたことでした。志望動機などは一度も聞かれたことはありません(汗)。

その説明の最中、面接担当のエンジニアは僕に対して様々なことを質問します。面接官はその質問の答えから僕の技術力や考察力を推し量るわけですが、そういった質問こそが面接官の『強い関心事』であるわけです。ならば、その『強い関心事』を想定した上で説明のストーリーラインを作れば、面接官にとって理解しやすく、説得力のある説明になるのではないか?

そう考えた僕は、それまでに受けた質問を思い返し、さらに自分が面接する側の立場であったらどんな質問をするか?そんな想定を交えながら質問を洗い出し、説明のストーリーラインを設計していったのです。

②ストーリーラインに基づくプレゼン資料を用意する
技術を言葉だけで説明することは、その言語が何であれ難しいものです。日本語での説明であっても難しいことがあるのに、それが英語であればなおさら難しくなってしまいます。そんな時に最も効果を発揮するのが、ビジュアル化された資料です。

このような資料において最も重要となることは、技術のエッセンスとなる部分を優先的に資料へ掲載し、できる限りシンプルにまとめることです。シンプルな概要図で全体をおおよそ理解してもらい、詳細を口頭で補足する。こんなスタイルでの技術説明を心掛けるようにしたのです。

業務説明の資料サンプル
面接の時に自分が持ちうる実力が100であったとします。しかし、それが80しかないように見えてしまうのではもったいないだけです。面接では100の実力を100の実力としてキッチリ伝えることが本当に大切です。日本人にとっては就労ビザという課題もあるだけに、こういった資料を活用して無用な損失を被らなかったことは、成功の秘訣の一つとなったように思います。

そして迎えた面接は…


僕がフォースインディアF1チームの面接を受けたのは2016年7月18日のことでした。この面接に向け、僕はほぼ全ての時間を準備に充てがいました。

迎えた面接当日。受付を済ませ、緊張しながらロビーで待っていた時のことです。日本人らしき長身の男性が僕の目の前を通り過ぎました。それはチーフデザイナーの羽下さんでした。思わず声を掛けて挨拶したところ、静かな声で『頑張ってね。』という激励を頂き、握手して頂けたことが想い出に残っています。

フォースインディアF1チームのファクトリーの看板
しばらくすると、二階から面接を担当するエンジニアの2人がロビーに降りてきました。手短な自己紹介と握手を交わした後は面接会場となる会議室へ案内され、いよいよ運命を決する面接が始まりました。この時の緊張感は…恐らく…人生で後にも先にも超えることはないであろうフェルスタッ…いえ、マックス状態だったと思います(汗)。

面接が始まったのは14時で、終わったのは18時。4時間にもおよぶ長時間の面接になったのですが、僕にとってはあっという間の時間でした。そして、僕が人生で経験した面接の中で最もワクワクできる楽しい面接となったのです。

面接対策は大きく功を奏したのですが、想定以上に効果を発揮したようで、面接というよりも面接官との技術談義となってしまったのです。質問はもはや面接官本人の知的好奇心によるものになっていました。

考えた時間∝自分の進化


面接を終えた僕はシルバーストーンを後にし、滞在先のホテルに戻りました。全身全霊のパワーを出し尽くし、精根尽き果てた僕はホテルのベッドで大の字になって寝転びました。その日の時点で確実なことは何一つありませんでしたが、僕の心の中には確固たる自信が芽生えていました。『残念で後悔するような結果にはならない』と。

フォースインディアF1チームの正門
フォースインディアF1チームとの面接に向けて僕は色々なことを考えては実践しました。その全てに効果があったとは思いませんが、『自分の進化は、考えた時間に比例する』ということを学べたように思います。

『失敗する可能性をゼロにすることはできないが、考えに考え抜いて行動すれば成功する可能性は必ず高まるはず…』

ベッドに寝転び、天井を見上げていた僕はこんなことを考えつつ、深い眠りに落ちていったのです。

[つづきはコチラ]

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