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厄介な新入社員として名を馳せる?
就職活動後、無事に大学院を修了した僕は自動車エンジニアとしてのキャリアを三菱自動車でスタートさせました。三菱自動車では4年間働くことになるのですが、この4年間で様々なことを学ぶことになります。その様々な学びには自分の想像を超えた学びも含まれていたのでした。
さて、一般的に日本では入社直後に新入社員を待ち受けているものがあります。そう、新人研修です。僕も様々な技術教育講座を受講したのですが、僕はこの研修期間中にまたしても突拍子もない行動に出ます。それは『疑問や質問を持ったら、その講義中に必ず講師に聞く』ことです。今振り返ってみると少々積極的過ぎたかも知れませんが…(汗)。
(引用元:レスポンス) |
結果的に9割ほどの講義で質問をしましたが、ここでの学びは『技術の前に遠慮は不要』だということ。僕の積極的な行動に対し同期から冷ややかな見方をされた部分もあったかと思います。しかし、周囲の目を気にするあまり、せっかくの教育講座で得るものが無い方がよっぽどもったいない。赤っ恥をかくような質問をしたこともありましたが、その質問をしたことで自分が理解不足であることに気付くこともできました。とにかく機会を最大限に生かしたいという想いでいました。
今でも続く『少しずつでも良いから学びを得る』という自分のスタイルはこの頃から始まったように思います。
少し冷静に考えた配属希望
周囲から見れば少々(?)厄介な新入社員としてスタートを切りましたが、一方で研修を通じて自分自身の大きな課題に気付きました。それはモノづくりの経験がとても乏しかったことです。大学ではそれなりに机上の理論は学んできましたが、実際に手を動かして設計して、モノを作り上げて、工夫して…というエンジニアとしての基本となる経験がなかったのです。研修でどんなにたくさんの質問をしても、その経験不足を補完することはできません。
そこでふと思ったのです。『最初からモータースポーツ部を希望して配属されたところで、僕がやれることはたかが知れているのでは?』と。まずは設計してモノの作れるエンジニアになる必要があると考え、量産車開発の部署を志望することにしました。WRC車両のベースは量産車ですから、まずは基本となる部分を学ぼう、そういう思いで配属希望書を提出したのでした。
開発に携わったSmart ForFour(引用元:カーセンサー) |
現在の仕事ではCADで図面を引くことはしませんが、ゼロから部品を設計して試作品が出来上がった時のことは本当に良く覚えていますし、とても感動しました。その部品が搭載されている三菱コルトを見ると、いつも初心に返ることができます。
英語力に対する危機感
ここで少し英語について触れたいと思います。自分のキャリアにおいて英語は重要なファクターの一つなのですが、幸いなことに社会人になってからは常に英語学習や海外を意識させられる環境に置かれてきました。当時の三菱自動車はダイムラー・クライスラーの傘下にあり、社内にはドイツから派遣されてきたエンジニアがいたのです。そんな環境のおかげもあって、同期を通じて海外の若手エンジニアとの交流を持つことができました。しかし、またしても大きな課題に気付くのです。決定的な英語力の低さです(汗)。
当時の僕の英語力と言えばTOEIC500点台…。そもそもF1チームで働くことを夢見る以前の実力でした。僕は局所的にガッツリと努力をすることができない性格なので、まずは無理なく一歩一歩英語を勉強することにしました。毎日の通勤中にTOEICのCDを聞いたり、JAPAN TIMESをちょいちょい読むなど、とてもゆる~い努力ではありましたが、文字通り一歩一歩でした。
(引用元:TOEIC公式サイト) |
[つづきはコチラ]
【目次】僕がF1エンジニアになるまで
01. はじめに
02. 学生就職活動編①
03. 学生就職活動編②
04. 三菱自動車時代①
05. 三菱自動車時代②
06. 三菱自動車時代③
07. 第一次転職活動編①
08. 第一次転職活動編②
09. 日産自動車時代編①
10. 日産自動車時代編②
11. 日産自動車時代編③
12. 第二次転職活動編①
13. 第二次転職活動編②
14. 第二次転職活動編③
15. 第二次転職活動編④
16. フランス修行編①
17. フランス修行編②
18. 第三次転職活動編①
19. 第三次転職活動編②
20. 神様のプレゼント編
21. 完結編①
22. 完結編②